芥川龍之介の息子、故芥川也寸志(あくたがわやすし・作曲家)がその晩年に
『悲しみに近い番地に住んでいるほうが人に優しくなれる』
ということを書いていました。
龍之介の子に生まれ、若い時期に父の『自殺』があり、その後の人生が簡単なもので無かったであろうことは容易に想像ができます。その中で悲しみの中に身を置くことを学んだのかもしれません。
龍之介に酷似した相貌、優しい語り口、鋭い洞察。ぼくは彼のファンでした。
優しさは他者に対する共感から始まります。最近、ネットや社会情勢を見ているとどんどん優しさから離れていくと感じることが多くなりました。社会性が希薄になっているのでしょうか?
ハードボイルドな探偵小説を書いた作家レイモンド・チャンドラーは作中の探偵フィリップ・マローに
『強くなくては生きていけない、優しくなくては生きる価値が無い。
If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive. 』
と言わせています。
生きることに余裕がなくなっている・・・のかもしれません。優しさを教える教育ってどこでするんだろう?そんなもの必要ない?そんな意見があることも知っていますが・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿