2012年4月25日水曜日

京都で痛ましい車の事故が続きました。車は凶器なのだということを比喩としてではなく、事実として納得させられました。

事故のニュースを聞くたびに、大学で心理学を教えていた友人Mのことを思い出します。

雨の降る夕暮れ時、授業を終えたMはキャンパスを出た最初の交差点を左折するとき、前方から自転車で来た老婦人をはねてしまったのです。即死でした。

Mは数年の間、大学を休職し、裁判の判決が出た後、大学に復帰しました。そして、最初の授業を行った翌日、遺書を残して家を出ます。遺体が発見されたのは更にその数年後でした。

人の人生は思いがけないことで簡単に変わってしまいます。当時、大学生と中学生だったMの2人の子供の人生も同様です。数年に1度、彼らに会う機会があります。何事も無いかのように振舞う2人ですが、口には出せない苦しい日々があったはずです。

いつも複雑な思いを抱えたまま、彼らと別れます。

2012年4月22日日曜日

泣ける話

本屋で「英語で泣けるちょっといい話」という本を立ち読みしました。中3程度の易しい英語で書かれており、日本語訳も載っています。数ページで完結する短い話を集めたオムニバスです。

 ひとつ話を読んで「これは・・・」と思い、ふたつ目で涙が滲み、3つ目でしっかり泣いていました。「1400円でこれだけ泣ける。買わねばなるまい」とレジに直行しました。

 塾での授業で使ってみようと思います。生徒の反応が気になります。私が年のせいで涙もろくなっただけか、そうでないか分かるからです。

 以前、日本語で書かれた似たような本を読んだことがあります。なかなか泣くことができず、作品を読みながら不安になりました。「俺って、血も涙もない人間なのか?」と思い始めたのです。幸い、その作品の最後の一行で、待望の涙がこみ上げてきました。「良かった、人並みの感情を持ち合わせているようだ」とほっとしたことを思い出しました。

2012年4月20日金曜日

都道府県名をおぼえる

小学生と都道府県名をおぼえました。

単純に何かをおぼえるということをするとそれが算数の力と必ずしも関連がないことに気づきます。算数が得意だから、覚えるのも得意というわけではないようです。

英単語を覚えたり、年号を覚えたり、古語を覚えたりする方法は色々と考えられています。覚えるという単純なことでも随分進化するものだと驚くのですが、それでも昔の人より現代人が記憶力が良いというわけではなさそうです。

その理由はおそらくどのような技術的な方法があっても、知識を脳に定着させる部分はあまり変わらないと思われるからです。

記憶の最後の最後のところは唸りながら、力ずくで頭にねじ込む。ある意味、無理やりに頭に入れる。そうした部分を否定できないように思います。

そして、小学生は未だその力の入れ方が分からない子が多いのかもしれません。「つべこべ言わずに1日100個の単語を覚えろ!」というような無理難題の体験がやがてものを言ってくるのかもしれません。

2012年4月15日日曜日

受験は博打ではない

高一は新指導要領の実施でいろいろなものが変わりました。そのため、彼らが受験生となる3年後にはセンター試験は大幅に変更されることになります。

今の新高二には”うっかり浪人できない”ということを口にする者が沢山います。”私たちはゆとりも最後だし、最悪!”と言った生徒もいました。

一方、新センターで受験する新高一はそれなりの新制度に対する不安があります。

ただし、過去におこなわれたセンターの大幅な変更の際、必ず以下の二点が実行されました。
 
①新センター試験の問題の見本(試行問題)が発表され、どのような内容になるか明確に分かった。
②浪人の受験生の為に、浪人用の問題が作成され、それは2年程度続いた。つまり二浪まで、別の問題で受験できた。

さて、神奈川県の新高校入試ではセンターで行われた上記二点は考慮されていません。こんな問題が出ますよという問題例が一部発表されましたが、センターの試行問題のように全体像が分かるものではありません。更に高校側の具体的な点数配分はこの7月になります。学校別の特色検査の実施も一年をきった現在分かっていません。この拙速なやりかたには呆れます。現在の中三はそのような曖昧な状態での受験に立ち向かうことになります。

受験は博打ではありません。しっかりとした学習と学力を前提にした試験で無ければなりません。学力はその前提となるものによって異なります。東大理三合格者全員が慶応医学部に合格するわけではなく、慶応医学部合格者が皆理三に受かるわけではありません。それぞれの前提とする学力が異なるのです。

その全体像を見せることなく、5万人もの若者に影響のある受験をする。唸ってしまいます。

2012年4月12日木曜日

お礼

最近バスを利用する機会が増えました。

降車する際に、「ありがとうございました」と運転手さんに一声かける若い女性が案外多いのに驚きました。勿論、嬉しい驚きです。小学生はほぼ全員言っています。逆に年齢が上がるとその割合はどんどん減っていきます。私と同年代以上、特に男性になるとほぼ皆無です。

「最近の若いやつは礼儀を知らない」という、中高年の意見を耳にすることがありますが、そうでもないようです。かえって、そろそろ定年かなと思われる世代に横柄な人間が目立つように思います。

さて、私の降りる停留所が近づきました。いつも、ちょっと照れくさいので、「どうも」と言って降りています。今日はちゃんと言ってみるかな。

2012年4月8日日曜日

時熟する

浅田真央ちゃんら日本人スケーターが頑張っているフィギャアスケートですが、こんなニュースがありました。

”初優勝を飾った25歳のカロリナ・コストナーは、このニースで10回目の世界選手権出場だった。2006年トリノ五輪当時から、もっとも才能のある女子の一人と注目されてきた。だがいつもここ一番というときにミスをして、大舞台でのタイトルを逃して何度も泣いてきた選手である。もうこのまま引退するのではないか、と囁かれたこともあった。

「今の気持ちはとても言葉では言い表せません」
 コストナーはそう言って言葉をきり、目を少しうるませた。
「今までスケートの夢を見ると、大会に遅れてしまうなど悪夢ばかりだった。でもこうしてチャンピオンになれて、それも変わるかも」

 あなたほど才能ある選手が世界の頂点に達するのに予想よりも時間がかかったのはなぜだと思うかと聞かれると、彼女は少女のように小首を傾げて少しだけ考えこう答えた。

「才能がある選手は私だけではなく、大勢います。でも私には、きっと今までの時間が必要だったのだと思う」”

 ティーンネイジャーの頃からいつ世界のトップに立つかと注目されてきた彼女だが、こうして10回目の挑戦でようやく頂点に到達。遅咲きながら大輪の花を披露することとなった。(共同)”

成熟には時間がかかります。現代はそれを待つ余裕が無いかのようです。

2012年4月7日土曜日

春期講習終了

本日で秋期講習終了です。

通常授業は来週の月曜日からです。

2012年4月5日木曜日

犬が西向きゃ、尾は東。月は東に、日は西に。

授業が終わって外に出ると、きれいな上弦の月でした。

今、地球の裏側にある太陽が月の下部を半分照らしていて、その光の方向へ月が動いていって・・・。

そんなことを考えながら空を見ていると、プラネタリウム以上に壮大なスペクトルを見ている感じがします。

地球全体を含む宇宙を鮮明にイメージする。そのときの月や太陽の輝きを同時にイメージする。最近、そうなってきました。

なぜそうなったのか。一番大きな理由は昨年NHKで放送があった、宇宙からの実況中継です。その番組を見てから、頭の中に地球全体をイメージとして取り込めるようになった気がします。それは地球儀のような地球ではありません。鮮明で本物の巨大な地球です。勿論このイメージは動いています。地球は太陽の周りを回りながら、少しずつ自転し、それに合わせて月も動いています。

見れなかったものが見れたことで私の中の世界(宇宙)が広がったようです。百聞は一見にしかず。教科書の中でいくら学んでも、必ずしもしっくりしなかった天体の運行がずっと納得できるようになりました。

2012年4月4日水曜日

爆弾低気圧

昨日は台風以上とも思える強風でした。

前日の気象庁の発表で”夜は外出しないほうが良い”というのがあり、午前中には休講を決め連絡を回しました。午前中は春らしい快晴の天候でしたから、気象庁の発表・テレビの天気予報をそのまま信じたわけです。

かつて、天気予報は当たらないといわれた時代がありました。今日雨だといわれても、空を見て、晴れそうだなと思ったら、傘を持たずに出かけたものです。気象庁の発表より自分の感覚を信じたのです。天気予報なんて、占いみたいなもんだと思っていた人も多かったはずです。そして、たいていは自分の感覚のほうが当たっていました。

さて、午後になると、雲が多くなり、雨がぽつぽつ。二時頃から風も吹き出し、やがて強風とどしゃ降りになりました。後は深夜まで強風が吹き荒びました。予報通りでした。休講を決めておいて良かったと思いました。

最近の天気予報は大変よく当たります。気象データを細かく狭い範囲で集めることができるようになったこと、そして、その処理に時間がかからなくなったこと等が理由のようです。今の天気予報は「明日天気になーれ」といって下駄(靴?)を飛ばしていた時代とは全く異なるのです。

となると、似たような分野。例えば、地震の予知は、計測するシステムを充実させれば天気予報のようにずっと精度が上がるのでしょう。「ここ数週間以内にマグニチュード8前後の地震が起る」というようなことをいっている地震学者もいます。これはノストラダモスの予言や占いの類いとは異なったものなのでしょう。となると備えをしておかなければ・・・