2009年8月27日木曜日

遅刻をする学生は受験に失敗する?

今日は僕の夏期講習の最後の授業でした。

1ヶ月ちょっとでしたが、高校生に英語を教えてきて、最後に何を教えようかと悩んでいたのですが、英語以外に2つのことを教えようと思いました。

1つ目は遅刻をしないように心がけること、2つ目は復習をすることです。
どちらも当たり前のことですね。でもその当たり前をもう一度教えようと思ったわけです。

試験というのはある時点での学力を計ることです。
もし高校3年間という時間制限を設けずにいつまでも勉強をしていくことが許されるのであれば、たいていの人は一生のうちに行きたい大学に受かるでしょう。(そこまで根性が続けば、ですが。)
現に、何年も時には10年以上かけて司法試験合格を目指す人もいます。

ただし、実際の大学受験ではそういうわけにはいきません。
多くの人は現役や数年の浪人生活で受かった大学に行きます。

ある時点(試験当日)までに自分の学力をどのレベルに持っていけるか、という制限時間付きの努力をみんなしているわけです。

さて、遅刻をする人というのは、いろいろな言い訳をしますが、結局時間管理ができない人です。
理由はたくさんあるでしょう。
例えば部活が長引いたり、寝坊をしてしまったり、友達と話していて時間を忘れてしまったり。

友達との遊ぶ約束に遅刻をしがちな人は友達から「あいつはいつも5分くらい遅れるから5分くらい遅れていくとちょうど良い」と思われていたりします。
仲の良い友達は待ってくれますが、将来的に仕事をするようになったらお客さんは待ってくれません。
それ以上に、試験という時間制限が決まった努力では「ちょっと学力が間に合わなかったから来月再試験をしてくれ」というわけにはいかないのです。

遅刻をしないためには常に準備が必要です。
何時までにどこどこに行くには何時にここを出なきゃいけないな、とか事前に計画を練る必要があります。
遅刻をしない人はこの準備をきちんとできる人で、遅刻をする人は準備ができない人です。
そんなに難しいことではなく、無意識にみんな準備をしているわけですが、それを意識的にやってほしいのです。

例えば授業が19時から始まるのであれば、10分前には教室について準備をしよう、と思ってほしいのです。
19時から授業というと、たいていの人は19時までに塾に来ればよいと思っていますが、そうではありません。
19時にすぐに先生の話を聞ける状態にしておけるかが大事です。
だから理想的には、「5分前に授業を受ける体制を作るためには10分前に塾についている必要があるな。でも途中でハプニングが起きて遅れるかもしれないから、15分前に塾に着くように家を出よう。」と思ってほしいのです。
大事なことは「19時に着く」という目標ではなく、「19時10分前に着く」という少し高めの目標を置き、さらに遅れる可能性を考えてそれより早めに出るという準備の習慣です。

今は学生なのでそれほど責任を負うことは少ないですが、時間に関する感覚は今身につけるべきだと思います。
準備を十分にできる人は学力も伸びますし、行きたい大学に受かる確率が上がります。


もう一つは復習をすること。
勉強ができる人というのは、必ず復習をしています。
みんなそれぞれ分からない問題にぶつかりますが、そこで分からないままにしておくか、分かるまで考えるかで勉強ができるようになったりならなかったりします。
復習をすれば絶対に勉強ができるようになるわけではないですが、復習をしなければ絶対に勉強ができるようにはなりません。
つまり、復習は勉強ができるようになる必要条件だということです。(お、ちょっと難しいこと言ったぞ。)

会社に入った後に、毎回同じミスをしていれば上司からの評価は下がります。
できる人は一度したミスを繰り返しません。
それは失敗から学習して次は失敗しないようにするというサイクルがあるからです。
分からないことが多すぎて、どれを復習していいか分からない、とか、学校の授業がすぐ次に進んでしまうので復習が追いつけない、とか復習ができない理由はいろいろとあると思いますが、分からないことを常になんでだろう?と頭の片隅においておくと良いと思います。

常に考える癖をつけること。

例えば数学の点が良い人は、ほかの人よりも数学のことを考えている時間が長いです。
一部の天才は一を聞いて十を知るのかもしれませんが、ほとんどの人は考えている時間が長いから良い点が取れるのです。
だから分からなかったことはなるべくその場で分かるまで考える。そのときにどうしても時間がきてしまったら、分からなかった問題を忘れずに頭の片隅においておいて、何でだろう?と考える。
全教科でそうしなくてもいいです。なるべく好きな教科、考えていて苦にならない教科で復習の習慣をつけましょう。


ほかにもたくさん話したいことはあったのですが、夏期講習という限られた時間ではここまででした。

本当はこれからの日本を生きていくうえで考えてほしいことや、今勉強していることの意味、僕の高校生活の思い出話や、社会人になってみて思ったことなどについてもっと話したかったのですが、とりあえず僕の夏期講習は今日で終わりです。
伝え切れなかったことはこのブログや生徒との雑談の中で少しずつ伝えていこうと思います。

夏期講習は今日でおしまいですが、これからも塾にいるので、見かけたときは分からない問題や悩みなど気軽に話しかけてください。

2009年8月9日日曜日

接頭語と接尾語で英単語を想像してみる

昨日の授業で、recall, remind, remember, researcher, review と一つの文章でreから始まる単語が5つも出てきました。
これは、接頭語について教えるべきかなと思い、授業の中で少し触れましたけど、もう少し触れておこうと思います。

英語が話せる友人と話していたところ、英単語はある程度覚えるまでは辛いけど、そこから先は急に楽になるらしいです。
(残念ながら僕はその境地までいたっていませんが。)

日本語で言うと、例えば、"零"という漢字がなんと読むか?をきかれたら、推測で"れい"かなと思いますよね。
それは、"令"がくっついてるからですが、これと同じことが英語でもあって、例えばre がついてたら"再び"という意味が入りそうだな、とかが分かってきます。

先ほどの5つにしても、少なくとも4つは意味を知らなくてもイメージは沸きます。
re(再び) + call(呼ぶ) = recall(再び呼び起こす⇒思い出す) 
re(再び) + mind(気にする) = remind(再び気にさせる⇒思い出させる) ←ビジネスでよく使います。
re(再び) + member(会員) = remember(再び仲間に取り込む⇒思い出す) ← これは無理があるか。。
re(再び) + search(注意深く調べる) + er(人) = researcher(再び注意深く調べる人⇒研究者)
re(再び) + view(見る) = review(再び見る⇒振り返る)

こういったことを意識しながら例文を読むと、意識しないで読むより記憶に残りやすいでしょう。
生徒のみんなはぜひ意識してみてくださいね。

ドラゴン桜・・・その後

 ドラゴン桜がテレビで放送されていたとき、高1だった塾生が今春全員大学生になりました。皆その番組を見ていたし、私もその影響で毎週ビデオに録っていました。
 マニュアル化された、技術優先の学習方法には抵抗がありましたが、学ぶことも多くあり、いろいろ考えさせらたものです。
 その功罪については別の機会に記すとして、彼らの最終進学先について簡単に書いておきます。
 横浜国大工学部、東京大学理Ⅰ、筑波大学、早稲田大学、東京工科大学、中央大学です。
 小さな塾としてはまあまあの結果かと思います。ドラゴン桜の影響を最も強く受けていた生徒が東大合格というわけではありませんでした。彼がドラゴン桜を今どのように考えているのか今度あったときに聞いてみたい気がします。
 

2009年8月7日金曜日

aと書いてアと読む単語はエァと発音する。

最近英語を教えていて、意外と発音やアクセントが苦手な高校生が多いことに気づく。
長文読解の問題の解説時間に、生徒一人一人に、順番に1文ずつ読んでもらっているのですが、みんな読むことが苦手みたいです。
学校の授業であまり英文を読まなくなったのかなぁ。
もしくは引っ込み思案な生徒が多いのでしょうか。

ということで、発音の覚え方を一つ紹介します。

例題:motherと異なる発音の単語を選べ
①couple
②come
③cut
④family


正解は④です。

u, o, ouと書いて"あ"と読む場合は、"ア"と発音しますが、aと書いて"あ"と読む場合は"エァ"と発音します。
つまり、familyはファミリーではなく、フェァミリーなんですね。
他はカップル、カム、カットとすべてアと発音します。

一つ一つの単語の意味、読み方、アクセントの位置を暗記させることは効率的ではないですし、授業の中ではそこまでできないので、こういった共通点を教えてある程度効率よく教えていかないと受験までに間に合わないですね。

似たようなことが他にもいくつかあるので、授業の中で説明していこうと思います。

2009年8月4日火曜日

which の使い方をもっとシンプルに覚えられないだろうか。

先日、高3英語の授業でwhichの使い方を教えました。
その授業の後に、家でいろいろとwhichについて僕なりに考えたことを書いてみようと思います。

"どちら"という意味の使い方は分かりやすいと思いますが、関係代名詞と呼ばれる使い方は少し分かりづらいですよね。
which という単語をYahoo辞書で調べると、代名詞と形容詞に分けられ、その後細かく12通りほどに分けられていますが、すべてを暗記しろと言われたらやる気なくなりますし、実用的ではないですね。

英語のネイティブスピーカーがすべての用法を意識して使っているわけがありません。
例えば、日本語で考えると以下のような感じでしょうか。

日本語で"どちら"という単語を使う例文を考えてみる。
・リンゴとみかん、どちらが好きですか?(目的語的用法)
・どちらの物件がお気に入りですか?(形容詞的用法)
・どちらにお住まいですか?(副詞的用法)
・どちら様ですか?(主語的用法)
これらを文法として、会話のときに意識して使っていないですもんね。

では、どうやって覚えるのがよいか、ということを考えていきたいな、と。

こちらが先日の授業で出てきた文法の問題です。
(著作権を意識して少し変えてあります。)
The house () she was looking for was on the main street.
①whose
②what
③which
④in which
⑤in that

正解は③のwhichなのですが、なぜwhichなのかを考える上で関係代名詞を使わない文章に戻してみると分かりやすいです。

She was looking for the house.
The house was on the main street.
(彼女はある家を探していた。(そして見つけてみると、)その家はメインストリート沿いにあった。)
the house なので、おそらく探していた家は、友人の家のような特定の家だと予想できます。

この2つの文章をつなげたのが例文なのです。
⇒The house which she was looking for (the house は不要になる) was on the main street.
 (彼女が探していた家はメインストリート沿いにあった。)

--- 以下は余談 ---
つなげる順番を逆にすると下の文になりますね。
⇒She was looking for the house which was on the main street.
 (彼女はメインストリート沿いにある、(特定の)家を探していた。)

2つの文章を比べると状況が違いますね。
1つ目の文章はどこにあるか分からない家を探していて、見つけてみたらメインストリート沿いにあった、というときの文章。
2つ目の文章はメインストリート沿いにあると知っていた家を探していたが、この文章からは最終的に、見つかったかどうかは分かりません。


ちなみに、the house を a house にすると、
She was looking for a house which was on the main street.
「(特定の)メインストリート沿いの(特に指定はない)家を探していた」という意味になり、引越すときに国道一号線沿いの物件を探しているときのような文章になりますね。
--- 余談 ここまで---


さぁ、先ほどの例文を覚えたまま次の例文をやってみましょう。

He found a tall tree () beautiful birds were nesting.
①that
②how
③which
④in which
⑤whatever

正解は④です。
この文章も2つに分解してみましょう。
He found a tall tree. (彼は高い木を見つけた。)
Beautiful birds were nesting in the tall tree.(美しい鳥が高い木に巣を作っていた。)
この文章をつなげて、
He found a tall tree in which beautiful birds were nesting.
もしくは、
He found a tall tree which beautiful birds were nesting in.
He found a tall tree where beautiful birds were nesting.
となるわけですね。

例文の選択肢の③which を選んでしまうと、分解した文章が、
Beautiful birds were nesting the tall tree. となってしまい、「美しい鳥が高い木を巣づくっていた」となってしまい、変な文章になってしまいますね。
あくまで、高い木という"空間の中に"巣を作っていたので、inが必要なのです。

whereは、前置詞+場所をまとめて表現できるので便利ですね。
場所に付く前置詞としては、in や at や on などいろいろあるので、where を使うとこれらを意識しなくて済むというメリットがあります。
(ただ、ネイティブスピーカーは同じ動詞でも前置詞を変えることで意味をいろいろと変えて使うことが好きらしいので、in which を使うほうがネイティブっぽいのかもしれません。あくまで推測ね。)

どうやら、whichは修飾したい語句とイコールの関係を作れるようです。
このあたりの感覚を覚える方が、10以上もある用法を暗記するより有効のようです。

では、最後に難しい言い回しをやってみましょう。

She was wearing dark glasses, () made it hard to tell what her expression was.
①of which
②where
③which
④that
⑤what

正解は③です。

訳してみると、
「彼女はサングラスをかけていた、そのことが彼女がどんな表情をしていたか伝えることを難しくさせた。」

whichが直前までの文全体(She was wearing dark glasses)とイコールの関係になっていますね。

うーん、whichの関係代名詞的な使い方というのは、イコールの関係を作れるということに集約できそうです。

"イコールの関係"という表現がまだイマイチかもしれませんね。
他に何か分かりやすい言い方が無いか考えてみようっと。