2012年5月28日月曜日

規則変化

good,wellの比較級・最上級は不規則な変化をしbetter,bestとなります。もとの形(原級)と全く違った言葉になっています。動詞にも規則変化するものと不規則な変化をするものがあります。そして、不規則に変化するものの方がより重要な単語が多いように思います。その理由をちゃんと調べたことはないのですが、なんとなく分かっている気になっていました。

それはこういうものです。重要性の高い言葉、使用頻度の高い言葉は文法が十分に発達する前に必要に迫られて、別の言葉が先にできていたのではないかという推論です。goodという言葉と、bestという言葉は本来別の言葉で、程度によって早い時期から区別して使っていたのではないかと思ったのです。やがて文法が成立していく過程で多くの言葉が規則変化するようになったのですが、以前から扱っていた使用頻度の高い言葉はそのまま文法に組み込まれ、それを、比較級とか最上級と呼んだのではないかと・・・。

実は今朝のTVでその推論を裏付ける話を聞いたのです。”女性同士が会うとまず相手を褒めあうのは本当か”というのを街頭でインタビューしていました。
女子高生A「たいてい、褒めあいます。なんでも、”かわいい!”って。”今日の服かわいいね。”とか”髪の寝癖がかわいいね”とか。なんでも褒めあいます。」
友人の女子高生B「そうそう、うーんとかわいいときは最上級の”やばい”を使って、”今日のまつげやばいねえ”とか、とにかく褒めます。」

そうか、”やばい”は”かわいい”の最上級だったのか。ひょっとして、外国人向けの文法書にはそう書いてあるのかも・・・ それにしても”今日のまつげやばいねえ”って褒めてるの?

2012年5月26日土曜日

小さな虫

授業中に一部の男子中学生が騒ぎ出しました。

ゴキブリがいるというのです。近づいてみると、ゴキブリとは大違い、5ミリ程度の小さな甲虫の仲間が絨毯の上にいました。摘み上げて、見せようとすると、数人が大騒ぎで「いやだ、いやだ」、「だめ、だめ」、「ゆとり世代は虫に弱いんですよ」とか言って逃げ出します。窓を開けて外に逃がしました。

正直な感想です。「これは異常だ!」

ただ、そういう人たちが増えているのは事実のようです。以前、農学部志望の女子高生を教えていたときのことです。
「農学部って実験あるんですか?」というので、
「そりゃあるに決まってるよ」と答えると
「私、実験したくないんです。虫とか動物とか触りたくないし・・・実験のない大学ありませんか?」
「なんで農学部行くの?」
「理系のほうが就職がいいし、物理は苦手だから、工学系はちょっと・・・」
「・・・・・」

解剖学者・養老孟氏がどこかで「脳と自然」について書いていました。「脳は思い通りにならない自然が徹底的に嫌いだ」というようなことでした。脳化する日本社会で実物=自然(理解できないもの)を扱えない世代が育ってきているのかもしれません。教科書の中の虫と、本物の虫の間には無限の隔たりがあるようです。

そういえば、中・高で理科の実験の回数がとても少ないのも気になりますね。受験科目に化学がない薬学部が存在する時代です。ひょっとして「うちの大学では実験をしません」を売り物にする理系大学が出てこないとも限りません。

2012年5月24日木曜日

模試返却

模試が反ってきました。

生徒に返す前にじっくりと分析をします。何ができて、何ができないのか、それは個人的な問題なのかそうでないのか。ここ数か月の勉強の具体的な成果が出たか。今後どこに比重を置いていくか。教科別の学習量の比率を変えるかどうか。前回からのトレンドはどうか。志望校をどうするか。等などです。

その中の志望校についてです。

中3の初めは、行きたい学校(それが内申点や学力に見合わなくとも)を目指すように指導します。1ランク位上の高校を目標にしたほうが成果も出ます。公立高校の場合、2月の志望変更までそれでいいわけです。最後の最後に合格の可能性を考慮して変更すればよいからです。

理屈はそうなのですが、問題は感情です。

普通に勉強したら偏差値50辺りのA高校が妥当な人が2ランク上の偏差値60のC高校を目標にしたとします。現実に合格する生徒もいますから、私もそれを支えていきます。懸命に勉強し、受験が迫った頃には偏差値56程度に上がったとします。近くには偏差値55のB高校もあります。

さて、どうするか?公立進学を前提にするなら、B高校受験を進めます。何とかA高校に入れる程度の学力から1ランク上のB高校に受かるのですから、難なく変更できるように思えるかもしれませんが、これが案外難しいのです。

本人も周辺もC高校へ行く気でやってきているので、B高校を受験することは1ランク落とすように感じるのです。実際には偏差値60を取ったことはないのでB高校受験はランクを落としたというより、ランクを上げているというのが正しいのですが、そう思えないわけです。

結局、C高校を受験し上手くいかないということがないわけではありません。

2012年5月23日水曜日

大相撲・旭天鵬の優勝、金環日食、スカイツリー営業開始。この三日のできごとです。

旭天鵬は初めて大相撲に入ったモンゴル人6人の内の一人です。厳しい練習と文化の違いに部屋を逃げ出し、モンゴル大使館に逃げ込んだこともありました。小結になった旭鷲山(現モンゴル国会議員)とともに、その後のモンゴル出身力士に道を開きました。

誠実な人柄と、ユーモアに満ちた話術に魅了され、ずっと以前からファンでした。

優勝を決めた土俵を降りて、花道を引き上げるとき、彼は泣いていました。20年の歳月が走馬灯のように駆け巡ったのでしょう。控え部屋の前で待っていた何人もの付け人も皆泣いていました。彼がどんな人柄の人物なのか、その瞬間に分かりました。心から祝福したい気持ちになりました。

翌日、そのニュースを見ようとすると、どのチャンネルも金環日食ばかり、更にその翌日はスカイツリーばかりでした。

2012年5月16日水曜日

立身出世

上場企業に就職して2年目の教え子が遊びに来ました。

社長になるのが彼の目標でそれを会社の上司にも同僚にも公言しています。それだけの活動量のある人間で、たまに平塚にかえってくると数日の休みにたくさんの予定を入れ、様々な人間と会い、話をし、関係を作っていきます。たいしたエネルギーだと思います。大企業ですから、社長になるかどうか分かりませんが、出世するだろうなと思いますし、望みを達成して欲しいとも思います。

最近、管理職をしている友人と飲んでいたときのことです。上記の生徒の話をすると、「そういう奴は出世すると思うよ。でも、それが問題なんだ」と言いました。「何で?」と尋ねると。「最近、出世しようとする社員が減ってるから、その気になっている奴はそれなりに出世するんだ。ところが、彼らは以前のような厳しい競争をくぐり抜けていないから、必ずしも能力があるってわけじゃない。能力のない者が管理職になって、能力のあるのがその下にいたりする。上手くいくはずないよね・・・」

うーん。そういうものか・・・

2012年5月13日日曜日

皆既日食と金環日食

5月21日午前7時半頃。晴れればこの辺りで金環日食が見られるはずです。日食は月の影が地球に移った部分でだけ見ることができます。観測者はちょうど月の影の中にいることになります。

金環日食と皆既日食の違いは

・皆既日食:月が地球に近い所にあるため、見かけの月の大きさが見かけの太陽の大きさより大きくなると起ります。太陽が月の裏に完全に隠れてしまい、太陽の光が月の周りに円形に広がって見えます。太陽そのものではなく太陽の光の輪です。

・金環日食:月が地球から遠い所にあるため、見かけの月の大きさが見かけの太陽の大きさより小さいと起ります。太陽の中に月がすっぽりと入り、太陽そのものが輪のように見えます。

”今年の高校入試、理科の天体の問題は日食で決まりだな。”そんなことを必ず考えてしまうのはこの職業の性です。

日食観察用のめがねを購入し準備は万全です。確か子供の頃、ガラスをロウソクの煤で黒くして、それで太陽を見るとよいというような記述が教科書にあったように思います。そんな時代でした。私たちは黒い下敷きで見ていました。

晴れるといいなあ!

2012年5月12日土曜日

緑のカーテン

緑のカーテンを作るためゴーヤの種を植えていました。

全部で五つ。小さなビニールポットに入れておきました。一週間前、そのうちの二つから芽が出ていました。残りも気になったので種を掘り出してみたのですが、芽が出る兆しもありません。

気になるのは芽が出た二つは新しく買った園芸用の土に植えたもの、芽が出ない三つは昨年何かを植えていた土を使ったものでした。素人の考えですが、芽が出るところまでは種自体の持っている養分で育つはずなので、土は関係ないと思えるのですが・・・・・どうなのでしょう?

実は昨年も失敗して、別に苗を買ったのでした。今年こそ、塾の窓辺にゴーヤを実らせたいものです。

2012年5月10日木曜日

バントのサインより大切なもの

子供が小さかった頃、自転車の練習をするために通った公園があります。通称、「自転車公園」。古くなって捨てられた自転車を整備しなおして、貸し出しています。その公園の横には更に広いグランドがあり、サッカーや野球が同時にできるようになっています。土日ともなると沢山の少年たちが試合をしています。

自転車公園の真ん中には道路が貫通しており、休日の子供が沢山いる時間帯は車が出入りしないように入り口の門を半分以上閉め、歩行者のみが出入りできるようにしてあります。

そんなある日のことでした。隣のグランドで試合を終えた少年野球チーム20人弱が半分閉められた狭い門の入り口をふさぐように車座になって座り、その後ろを父兄が取り囲み、反省会を始めたのです。コーチと思われる人が一人の少年を叱責していました。バントのサインを見落としたことを責めているようでした。

随分きつく叱るんだなあと思いながら、ふらついて走っている子供の自転車の後をゆっくり追いかけていました。

一周して帰ってくると公園の管理人と野球チームのコーチとが何やらもめています。管理人は公園の入り口をふさがないでくれといっているようでした。そして、その後ろには乳母車を押して公園を出ようとして出られないでいる女性もいました。コーチが「話が終わるまで待て」と管理人の老人をどやしつけるのには驚きました。そして、父兄の誰も道を空けようとはしません。乳母車の女性が僅かな人と人の間を通ろうとするとやっと僅かに人一人分の道をあけたのでした。

子供たちにスポーツを教えることは単に野球やサッカーや水泳がうまくなるということではないはずです。健康な体を作ること。技術を学ぶこと、スポーツの楽しさを知ること、努力の意味を学ぶこと、練習の必要性を学ぶこと、フェアプレイを学ぶこと、そして何よりもルールを守ることの重要性を学ぶこと。それはバントのサインを覚えること以上に重要です。

こうした点は指導者によって大きく異なる部分です。公園の一角で昼食を取っている多くのチームはきちんとゴミを片付け、自転車の練習をしている小さな子供たちの邪魔にならないようにしています。

我が身に翻ると、このときのコーチを呆れているわけにもいきません。計算を教える前に、単語を覚えさせる前に、歴史を教える前に・・・教えなければならないことがあるのではないか?それは勉強よりもずっと基本的で重要な部分、人間として学ばなければいけない部分のような気がします。

2012年5月5日土曜日

25年度高校入試日程

来年度の高校入試日程が発表されています。以下の通りです。

募 集 期 間:平成25年 2月 1日(金)から 2月 5日(火)
志 願 変 更 期 間:平成25年 2月 7日(木)及び 8日(金)
学力検査等の期日:平成25年 2月15日(金)
面接及び特色検査の期日:平成25年 2月15日(金)、18日(月)及び19日(火)
合格者の発表:平成25年 2月28日(木)

気になったことを書いておきます。
①学力検査の期日は去年より1日早くなり、発表は4日遅くなります。学力検査から発表まで12日もあります。生徒や家族の不安な状態を更に長くすることになりました。中学受験のように翌日発表とは行かなくとももう少し早くできないかと思います。全員が面接を受けることそして、特色検査をする学校があること等を考慮したのでしょうか?もしそうなら、15日(金)の学力検査後、土、日を休みにしないで、面接をする手があるのですが・・・
②以前から言われていたことですが、2月中旬の受験は早すぎます。2月半ばの受験から4月上旬の高校入学まで、2ヶ月弱、大して勉強しないことになります。

何れにせよ。9ヵ月後、新入試が実施されます。

2012年5月3日木曜日

雨の日

最近、横断歩道に立っている人がいても止まる車が少なくなったように感じます。

私自身も小さな子か老人が立っているとき以外、あまり止まらなくなっています。

未だ車のある家庭が珍しかった頃。雨降りのぬかるんだ道路を歩いていると、歩行者とほぼ同じくらいまでスピードを落とし、水を飛ばさないように車が通り過ぎたものでした。時には車の窓を開けて、「坊や、ごめんね」と一声かけていく人すらいました。

「アメリカには各家庭に1台以上車がある」と社会の授業で聞くと、小学生だった私たちはアメリカというとんでもない国を呆然とイメージするのでした。

時は移り、モータリゼーションの発達と経済成長によって私たちの生活は驚くほど変わりました。その豊かさの恩恵を受ける一方で、横断歩道で立っている人や雨の歩道を歩いている人に対するちょっとした思いやりが失われていきました。スピードが上がれば車窓の風景は流れ去るばかりです。

”何かを得るためには何かを失わなければならない”残念ながら、そういうことなのかもしれません。

昨晩の雨の中、車のはねる水でひざから下を完全に濡らしながらそんなことを思いだしました。

老いてもいなければ、恐れてもいない

昨年セリーグで優勝した中日ドラゴンズは多くの批判を浴びながら、名将・落合博満との契約を更新することなく、72歳の老人・高木守道を監督に迎えます。そして、横浜ベイスターズでの優勝監督で75歳の権藤博をピッチングコーチにします。45歳の山崎を4番打者に据え、48歳でプロ最年長の山本まさや大リーグで泣かず飛ばずだった38歳の川上を再びドラゴンズに呼び戻します。やはり70代半ばのタレントで、元中日投手坂東英二が応援団長を買って出ます。

開幕前、ある夕刊紙が”中日はゲートボールでもやるつもりか?”という記事を書いていました。この見出しを見て思わず笑ってしまいました。

このドラゴンズの編成は東大出の元中日選手、井出峻(現ドラゴンズ取締役)によって考えられました。

首脳陣が高齢であることをマスコミから指摘されると井出氏は次のように答えました。

”彼らは高齢だが、老いてもいなければ、恐れてもいない”

ますます、高齢化の進む日本ですが、この言葉はある真実を穿っているように思えます。

さて、開幕からひと月、ドラゴンズは首位にいます。