2011年5月30日月曜日

閾値

100均で刺身のつまをつくる道具を発見しました。こうしたものはたいてい買って後悔することが多いのですが、誘惑に負けてしまいました。もうひとつ、どんなゆで卵も簡単に殻がむける道具も売っていて、欲しかったのですが我慢しました。

早速、スーパーに大根を買いに行きました。するとすぐ横に大きな白菜が特価でかなり安く販売されています。ふと目をやると(茨城産)と書いてあります。『うーむ。そうか』と唸ってしまいます。

風評被害の影響は大きいのでしょう。私のような無神経な人間でもちょっと産地を気にしてしまいます。問題はこの件に関してデータがはっきりしないということです。信頼に足るものかどうか。特に、小さな子供を抱える親にとっては気になるところでしょう。

~以下は安全というときの境目の値を閾値(いきち・スレショルド)と言います。仮に、10ミリシーベルトが閾値だとして、それ以下は問題が無いというとき、
 ①10ミリ以下は0ミリと同様ということで、全く何の影響も無いと言うことか。
 ②何かの影響はあるがそれは健康に意味のある影響ではないと言うことなのか。
 ③現在の医学ではその影響を判断し得ない程度の量と言うことなのか。
 ④その他。いろいろな謎が残ります。

何れにせよ。データーを正しく開示することが重要でそれが気になります。

さて、その日。大根を買って帰り、つまを作ってみました。これは使える!うれしい発見です。

後は目的も無く買った大きな白菜をどうするかです。

2011年5月27日金曜日

恐怖の五人組

中3数学で5人一組になり、展開と因数分解のプリント2枚を、全員が正解になるまで繰り返す授業をしました。名付けて『恐怖の五人組』。ほんのちょっとした間違えでもやり直しますから、なかなか終わりません。6回目(つまり12枚のプリント)でやっと終了でした。きちんとした計算ができるように考えたのですが、効果や如何に?。

他にも、『涙のトライアスロン』・・・英語・数学・国語3教科のプリントが全部正解になるまで繰り返す。『いけない千本ノック』・・・間違えた計算、単語、文章を1000回(実際は10回)やりなおす。『帰れまテン』これはよくやっています。9時半の授業終了が10時になる。

などなど。めじろおしです。

ケアレスミスを減らすには本人の自覚が最も重要です。にも拘らず案外簡単に考えるいる人が多いようです。簡単なことでもきちんとやる。昔の日本人にはそれがありました。それが、この国の技術を支えてきたのです。長野の冬季オリンピックのとき、国旗や、国歌の間違えがありました。『あれっ?日本も変わったな』と思いました。その前の札幌オリンピックは全てが完璧に処理できていたからです。考えようによっては日本も国際基準になったということですが、我が国の製品の信頼性に陰りが見えてきたのもそのころからです。

2011年5月22日日曜日

けちな勉強

私が「けちな勉強」と呼ぶのは次のような場合です。

①テストに出ないものは学ばない。
②学校でやっていないものはやらない。

 「それはテストに出ますか?」という質問をする生徒は決まっています。そうした質問をする生徒は熱心に勉強していても、ある程度以上の成績をあげることはあまりありません。英語、数学、国語、理科、社会。どれをとっても、表に出ている部分ではない背景の深みのようなもの(まさにバックボーン)が高得点の素地になっているのです。テストに出るかどうかで、勉強を振り分けていると、痩せた大地に作物を作っているように、やがて枯れるか小さな果実しか実りません。「それは学校でやっていません」といって、学習を限定する人も同様です。

 問題はそうした子達の中に、成績を上げようとするあまり、けちな勉強になってしまう人がいることです。テスト直前では仕方のないことですが、普段はもっとふくらみを持った勉強を心がけたいものです。

 畑を耕しておけば、大きな果実も期待できます。

2011年5月20日金曜日

必要条件と十分条件

長くやっていても授業が上手く行かないことが度々あります。特に、テストが近づいてくるとそうです。こちらの焦りが授業に出てしまうのかもしれません。あれもしたい、これもしたいという思いが空回りしてしまいます。

帰りの車の中で、いつも反省をすることになります。今日の反省は授業を急ぎすぎたこと。来月早々のテストに備えて、やっておかなければならない項目を予定通り消化できなかったことです。長くやっていますから、テストに何が出るか熟知しています。何を身につけ、何を捨てるか良く分かっているつもりです。そのすべきことが十分にできていないと、知らず知らずに授業が乱れます。それが出てしまいました。

どう急いだところで、生徒の方は、理解できる速度以上に早く理解できるわけではない。という、至極当たり前のことを忘れてしまいました。といっても、テストに出ることが自明な事柄が十分に身についていない生徒を目の当たりにすると、勿論、穏やかではいられません。

十分ではないが、身に着くことのみを教えるか。身に着かない恐れもあるが、十分なことを教えるか。悩ましいところです。

2011年5月19日木曜日

人間力

勉強は人間力だな。と思うようになりました。

学力の低い生徒は数時間の勉強をきちんとすることができません。一時間経たないうちに、だれてきて、姿勢が完全に崩れてしまいます。メルトダウンしています。これは、年齢とは関係なく、大学生でも、大学院生でも同じです。学力のない大学院生というのも変ですが、そんな院生も沢山います。10年位前までは、勉強ができなくとも、一生懸命頑張るという生徒はある割合でいました。『お前は勉強は得意じゃないけど、ちゃんと頑張れる人間だから、それを忘れるな。きっと、それが実を結ぶはずだから』と言える子供が沢山いました。残念ならが、最近はずっと少なくなりました。殆んどいなくなったとも感じます。

一方、学力の高い生徒でメルトダウンしているものは皆無です。

今日は1時からテスト対策で、数名の高校生が補習に来ていました。7時近くまで、数学の授業をし、その6時間に及ぶ補習の後、9時まで自習して帰っていきました。その間、手を抜く瞬間は全くありません。

この差が何なのか。ずっと考えています。勉強が好きだとか、楽しいとか、逆に勉強の楽しさを知らないからとか、そういうものとは関係のない何かの理由があるのです。それは個々に特有な理由だけではなく、社会病理的もののようにも思います。そうでなければ説明がつかないほど、一般的だからです。

頭ではなく、心へのアプローチが急務なのですが・・・

2011年5月15日日曜日

もう、30歳になった数名の教え子が塾を訪ねてくれました。
彼らが高校のときに、数学を教えていました。

そのうちの一人は生まれて8ヶ月の子供を連れてきていました。案の定、私の顔を見ると今にも泣きそうになり、いろいろあやしたのですが、最後は泣かれてしまいました。

一通り、近況を話したとき、『学校へ行くようになったら、お願いします』と言われました。
一瞬『この子が中学になるとき、俺は・・・』と年齢の計算をし、『大丈夫、まだ生きてる』と答えました。

NHKで90歳を過ぎた灘高校の元国語教師のドキュメンタリーをやっていました。彼は今や日本最難関高校になった灘高がまだ有名になる前から教壇に立っていた人です。一年間にたった一冊の本を読むそんな授業をしていたそうです。

その90歳の誕生日を祝う集まりには東大学長を含む、そうそうたる教え子が集まっていました。壇上に立った元国語教師はこう言ったのです。
『今の私の夢は、もう一度灘高の教壇にたって、国語の授業をすることです』と。
『おーっ』という歓声とともに、割れんばかりの拍手が会場を包みました。

心に鉄槌を打ち込まれた感じがしました。

2011年5月7日土曜日

手早く、正確に

たまには授業のお話でも。
昨日の中学3年生の授業で、式の展開の早解きを行いました。
これは多すぎず少なすぎない適当量の問題を、比較的厳しめな時間内で解ききること(無論正解率も重要)を目的としました。
つまりテストで出来る問題を落とさず、手早く処理する力を体得しようということです。


具体的には
(x + 5)(x - 3)を展開せよ
の様な問題を18問、一題8秒計算で2分24秒以内に解くというもので、3ミス以上は不合格で再試験、合格者はその間単語の勉強をして良いというルールでした。
(ちなみに再試験も不合格だと間違った部分が全て宿題になる)


今回は単元別だったので、全く話にならない様な子は出ませんでした。
どうやら基礎の基礎はしっかりと出来上がっている様です。
中間テスト前までに単元が混合された問題でもサラサラと解ける様に鍛えていきたいと思っています。
・・・尚、この作業中に
「こんなの終わる訳ないよ~」
「4問間違いまでにしない?」
「先生はこんな酷い人ではなかった」
「あの頃の先生を返してくれ」
等々、甘ったれた愚痴が大量発生していたので、そこら辺も鍛えていきたい所存です。

2011年5月6日金曜日

マーフィーの法則

10年以上も前だと思いますが、『マーフィーの法則』という本が話題になったことがあります。皮肉とユーモアに満ちた短い文章を集めた本でした。買ったとき、ペラペラとめくったまま読んでいませんでした。連休中に要らない本の処分をしようとしていて、ふと手にしました。最初の一行は、

マーフィーの法則: 失敗する可能性のあるものは失敗する。   以下

ベネディクトの原理: 自然はいつも隠れた欠陥に味方する。

露見の法則: 隠れた欠陥は必ず表面化する。

ガンパーソンの法則: 起きて欲しくないことほどよく起こる。

ソッドの第2法則:遅かれ早かれ、最悪の状況は必ず起こる。

ザイマージの発展的システム力学の法則: 一度ミミズの缶を開けてしまったら、それを入れるには、もっと大きな缶を使うしかない。(ミミズの缶・・・釣りえのミミズが入った缶)

うーむ。

2011年5月3日火曜日

少年Nと悠々館⑤



2年生時の夏の大会は1回戦敗退でした。
スコアラーを務めた背番号19は大して日向に当たる事無く、一つの夏を終えました。
試合自体は延長までもつれ、Nのチームはスコアリングポジションに何度もランナーを置きながらあと一本が出ず、最後は点を取られて負けてしまいました。
今にして思えば優しい校風が悪く作用してしまった典型であったなと思います。


7月の終わり頃、つまり代が変わった直後についてはあまり記憶がありません(特に勉強)。
打撃の調子が良かったことや自宅に友人を招いていたことは記憶しているのですが。
恐らく夏休みに入ってしまい、学習に対し確固たる野望(目標)を持たなかったことが原因でしょう。


ひとつだけ鮮明に覚えていることは、夏の70本ノック。
二人一組で70本取れば終わりというルールだったのですが、ノックの球は左右に振られる形式でしたので中々終わりませんでした。
監督には何度も「もっと腕を伸ばせ!」と言われました。
その度に(一杯一杯なんだけどなぁ。)と思っていました。


終盤に差し掛かった頃、絶妙な位置にボールが打たれます。
Nは無理そうだと思いながら、しかし懸命にボールへ向かいました。


パシッ
(えっ?)
「そうだ!それだ!!」


届いた。驚きが全身を駆け巡りました。
そして守備範囲とはこのようにして広がるのだと理解したのでした。

2011年5月1日日曜日

悠々会 報告

朋あり遠方より来る、亦楽しからずや

出典の意味とはかなり異なりますが、今回の悠々会は沢山の出席がありました。
夕方5時頃電話があり、『今日行こうと思うのですが、何時までやっていますか?』とY君からの電話でした。『今どこ?』と尋ねると、『姫路』とのこと。新幹線で駆けつけてくれました。彼は社会人一年生ですが、新大学生も多数出席があり、皆元気そうで本当にうれしく思いました。

どうもありがとう。