2016年3月27日日曜日

才能のある人は5万といる

アイススケートの本田真凛選手がジュニアの大会で優勝しました。

彼女のコーチが面白いことを言っていました。「才能のある人は5万といる。才能があるから勝つのではなく、強い人が勝つのだ」

そうなんだよね。やればできる人なんて5万どころか50万といるんだよね。

さらに、「簡単なことを何度も何度も繰り返して、質を上げていかなければならない」とも。これもその通り。体に染み付くレベルで基礎を身に付ける。考えるとかいうレベルでなく、ほぼ自動的に答えがでるレベルまで演習する。公立上位高で使っている数学の問題集「サクシード」。全ての問題を見た瞬間(問題を読み終えるよりもっと前に)解の手順が思いつく人もいるはずです。体験した人は分かるはずですが・・・

2016年3月23日水曜日

とめ、はね、はらい

「文化審議会漢字小委員会は29日、常用漢字で「とめ」「はね」などに細かい違いがあっても誤りではなく、さまざまな字形が認められることを解説した指針案を親部会の国語分科会に報告した。指針案では常用漢字表の考え方をあらためて解説。漢字に線の長短や方向、はらうか、とめるかといった字形の違いがあっても、文字の骨組みに当たる字体の違いにまで及ばなければ、特定の字形だけが正しく、ほかが誤りと判断することはできない」(日本経済新聞より抜粋)

やっとなるのか!これが正直な感想です。とめ、はねは毛筆の特性によるもので、鉛筆やシャープペンで書く文字に馴染まない。ずっとそう思ってきましたし、以前もこのブログで同じ内容のことを書いたこともあります。

「字形の違いがあっても、文字の骨組みに当たる字体の違いにまで及ばなければ、・・・が正しく、・・・が誤りと判断することはできない」

小学校の漢字書き取りで、大人にはどこが間違えなのか分からないものが多々あります。殆んどが、とめ、はね、はらいに関したもので、私も理解できず、何度か唸った経験があります。

今後、様々なところで、変化が起こりそうですね。注視したいと思います。

2016年3月17日木曜日

反省

旧学区最難関公立高校に不合格だったA君のことです。

夏休み、真っ黒になった顔の皮がむけるほど部活に熱心でした。勉強もその合間で頑張っていましたが、模試の結果では志望校にはかなり難しいという判定でした。実際の力よりも志望校は2ランク程度上でした。

9月になり、部活が終わり、勉強が本格的になります。A君は勉強に集中していきます。

11月。模試の結果も少しずつ上がってきますが、まだ合格圏には届きません。厳しいかなと思いました。志望校を一つ下げるほうが良いかと父兄の方とも話しました。ただ、本人は第一志望を下げたくないようでした。

12月。併願私立高が決まります。模試は合格権まで後1点というところまで来ています。伸びています。ぎりぎりまで様子を見ようと思いました。

1月。最後の模試でついに2次選考合格圏に入りました。合格可能性80%でした。過去の経験から1度だけの模試で合格圏に達したからと言って安心できないことはよく分かっていたので、昨年度の入試問題(それまでやらないように指示してありました)をやってみると合格ラインに入っていました。沢山やった予想問題でも合格点に達していました。なりよりも、本人の強い意志もあり、第一志望に願書を出すことにしました。

ただ、不安はありました。本番で同じようにやれるかわからないからです。余裕があるわけではないので、少しの失敗は命取りです。普通なら1ランク下げ、安全な受験をするように指導するところです。1ランク下げても夏休み前の力から考えれば、1ランク上がっているのです。志願変更をするかどうか確認するとこのまま行くということでした。本人の強い意志もあり、私もそれに賛成しました。これで一つ落としても彼は満足でない3年間となるのだろうと思えたからです。

結果は残酷でした。恐らく、数点のことでだめだったのでしょう。それ以来、私はどうすべきだったのか悩んでいます。冷徹に「お前にはその学校へ行く力が無い。一つ、いや、二つ下げろ!」と言うべきだったのか。彼の気持ちを尊宅しすぎたのかもしれません。その希望をか叶えてやりたい。そう思いすぎたのかもしれません。

後日、彼に高校数学を教えました。どうか頑張って、3年後、この結果がそんなに悪くはなかったと言ってほしいと心から思いました。

頑張れ!!

2016年3月16日水曜日

煮干の解剖その後

以前小学生と煮干の解剖をしました。大ぶりの煮干を手で解剖します。頭を2つに割り、脳を確認。腹部も同様に心臓、肝臓、腸などに分けていきます。それを見て気持ち悪いという子供も出てきます。それでも10分もあれば2~3匹の解剖が完成です。食べたい子はそれを食べて終了です。私も5~6匹解剖しました。その後のことです。サンマやいわし等の丸ごと焼いたり、干物にした魚を食べると、箸で内臓を分離するようになりました。これは心臓。モグモグ、パクパク。これは肝臓。モグモグ、パクパク。これは・・・?モグモグ、パクパク。生徒はどうなんだろう?

2016年3月14日月曜日

塾の中3への面接授業のフィードバッグ集

八木です。かなり、久しぶりの投稿を。笑

最近は、12月くらいから中学3年生の面接の授業を受け持っているのですが、先月の入試が終わって僕の授業も終わりました。

面接の授業最終回の時と、合格発表の日に行った壮行会の時に集めたフィードバッグ集を記録として残しておこうと思います。


■質問事項はこちら
1. 授業内容は全体的にどうでしたか?
良くなかった  あまり良くなかった 普通 多少良かった かなり良かった

2. 面接の授業で印象に残ったこと、良かったことは何かありますか?

3. 面接の授業で分かりづらかったこと、もっとこうすれば良くなる!ということはありますか?

4. 八木に対して何か伝えたいことがあれば自由に書いてください



ということで、回答です。

1. 授業内容は全体的にどうでしたか?
・かなり良かった:7人
・多少良かった:1人
・良くなかった:1人

2. 面接の授業で印象に残ったこと、良かったことは何かありますか?
・ほんばんのようなきんちょう感がある
・面接の練習で面接を見る側もやったのが良かったと思う
・本番のような雰囲気で良かった
・他の人の面接を見れて良かった
・ヤギちゃんとたくさん喋れておもしろかった
・面接のかなり参考になった
・知恵の輪が面接で使われると思ってなかった。
・八木先生が恋バナと混ぜて授業してた
・先生のおかげで面接が少し上手になったと思う
・小学校の時の漢字テストの話し・・・何その無駄な正義感!
・八木先生の女性への話
・生徒目線で話してくれてとても分かりやすいアドバイスだと思いました
・雑談が面白かったです
・学校とは違う質問をしてくれたり、ちゃんとていねいに修正してくれたので良かったです。

3. 面接の授業で分かりづらかったこと、もっとこうすれば良くなる!ということはありますか?
・面接シートを書く前にもうちょっと勉強をしたかった
・もっと、八木先生の女性への話をもっとききたい
・口の中の水分がなくなった

4. 八木に対して何か伝えたいことがあれば自由に書いてください
・細かく指導していただきありがとうございました
・塾に行っても行かなくても今後ともよろしくお願いします
・Thank you for the past three years. Also looking forward to hearing from you.
・ありがとうございました。
・がんばります。



みんな、メッセージありがとう〜。
ってことで、僕からも感想を。

この学年は中学1年の時からちょこちょこと教えていまして、当時からなぜか好かれているというか、仲が良くなった生徒が多い学年でした。
なんというか、ませてる生徒が結構いて、プライベートな話を相談されたりとかもあったからですかね。

で、面接の授業なのですが、最初の数回は面接シートの書き方を教えます。
1. 志望動機、2. 中学時代に意欲的に取り組んだ教科について、3. 教科以外で、中学時代に意欲的に取り組んだことについて、4. 自分の長所、です。

今回は生徒数も多く、最初は生徒と打ち解けるために雑談を入れながら座学をして、面接シートを書かせて個別に見ていくやり方にしたのですが、今思えば、面接シートの書き方というか考え方を最初にちゃんと説明すべきでした。
いきなり文章から書き始める子が意外と多くて、そうすると大抵言いたいことが伝わらないんです。
これって読書感想文や国語の試験の悪影響だと思うんですけど、「枠を9割くらい埋めないといけない」と思ってしまっているんですね。なので、不必要に遠回しな言い方をしたり、言わなくていいことを盛り込んだりしてしまうのです。

文章にする前に、自分は相手に何を伝えたいのか?
自分はどんな人間で、なぜその高校に行きたくて、中学時代は何を頑張ってきて、高校行ったら何をしたいのか、などを、生徒ひとりひとりの個性に応じて引き出してあげないといけないんですよね。

面接の際は、まず最初の1回目は本番さながらで1対1形式で。
いきなり本番に近いことを体験してもらうことで、その後の授業内容に緊張感が生まれ、「自分ごと」として聞いてくれるようになると踏んだのです。

2回目以降の授業では、教室の大きさが限られているため、生徒を3グループに分け、面接を受ける人3, 4人、面接シートを書き直す人3, 4人、僕の両隣で人の面接を見る人2人にしました。
友達が面接を受けている姿を見るのも参考になると考えたからです。

この形を取りながら、面接をしている生徒が何を話していたかを他の生徒に言わせてみたのですが、本人が伝えたいメッセージの半分も伝わらないケースが多かったです。

本人はそのことばかりを考えて文章にして読んでいるので、伝わるはずと思ってしまうのですが、初めて聞く相手には説明が足りなかったり、要点が分からなかったりしてしまうものなんですね。

そんなこんなでいろいろと生徒とコミュニケーションを深めながら、みんなの個性が発揮できるように努めました。

毎年思うんですけど、みんな姿勢とか言い方とか気にしすぎですね。
「僕がこの学校を志望した理由は、、」とか誰かが言うと、「僕って言っていいの?」とか。
振り返りを聞いたら、「ちょっと手が落ち着かなかった」とか。

多分他の面接官の人も同意してくれると思うんですけど、「ちょっと鼻を触る癖があるな、1点減点」とかしないですから。
それよりも内容にフォーカスしなきゃ。

多少言葉遣いが不適切だったり、体が揺れたりしてそれを気にするよりも、自分の魅力をもっと伝えるには!?と考えたほうが絶対良いと思うんですね。

なんというか、失点ばかりに目が言ってしまっているというか。
まぁそういう印象を生徒に分かりやすく伝えるように努力しました。

これから生きていく上で、実は面接って重要ですよね。
アルバイトの面接や大学受験の面接、就職活動や転職活動でも面接は必ずありますからねぇ。
そういった今後も踏まえて、面接に対する臨み方を教えられていたら嬉しいです。


ということで、みんな高校生活頑張って楽しんでくださいね。


ちなみに、、授業の感想で女性の話が面白かったと書いている生徒が多いですが、志望動機を応える時に、なるべくその高校の特徴を捉えたことを言うべし!ということを伝えたくて、女性に告白するならという話をよくした結果です。
例えば「誰でもいいから付き合いたくて〜」と言ったらダメでしょ!?と。
「〇〇ちゃんのこういうところが好きだから!」と言えなきゃね、と。笑

とまぁ、こんな感じでなるべく生徒が退屈しないように、「面白い先生だな、話聞いてみるか。」と思ってもらえるようにしてきたわけです。

と言ったらかっこいいですが、単に僕が恋バナが好きなだけだったりもしますけどね。。笑


ということで、最後に生徒一人ひとりへの返事を。
このブログ、読んでいないと思いますが。笑


ほんばんときんちょうは漢字で書きましょう。笑
ありがとう!!


こちらこそ。卒業しても塾に顔出してください。


くだらない話もよくしたしな。
英語はなんとなく伝わった!笑


面接では具体性が大事!ってことが伝わったようで何より。


魚の絵は何なんだ!!!笑


確かに、面接シート書く前にもう少し説明が必要だったね。アドバイスサンキュー!
何その無駄な正義感!の話が印象的だったとは・・・。笑


女性と言いましょう。笑


生徒目線とおもってもらえたなら嬉しい限りです。
雑談は生徒を退屈させないための工夫ですね。


口の中の水分がなくなった、には笑った!笑



最後に、僕が教えるときや、生徒の話をメモする時に使っていたマインドマップ。
これを知恵の輪と言っている生徒がいたわけですね。




2016年3月13日日曜日

三角形の合同条件って?

中2になると三角形の合同の証明を学びます。

その際、有名な合同条件を覚えることになります。
 ①3辺相等
 ②2辺とその間の角
 ③1辺とその両端の角

これは、中学生が知っている知識の中で最も上位のものではないかと思います。例えば、国語の形容詞の活用(かろ、かつ、く、う、い、い、けれ)や理科のオームの法則、や社会の憲法前文や、英語の三単現のsと比べても負けない?でしょう。

一体誰がこれを決めたのでしょう。どこかの数学者?文部省の官僚?教科書を作った人?それとも普遍の真理?

例えば、③の1辺とその両端の角は、1辺と2つの角(両端である必要はない)が決まればおのずと両端の角が等しいことに成ります(内角の和は180°ですから、残りの角が決まります)。1辺2角という合同条件でも良いはずです。それを1辺とその両端の角と言うのには何らかの配慮(数学上ではない)が働いているのでしょう。

そう言えば、昔は1辺と両端の角を2角挟辺(2かくきょうへん)と教える先生も多くいました。挟という漢字が教育漢字ではないとかそんな理由で使われなくなったという話を聞いたことがあります。

自然科学(数学をそれに含めるかは微妙ですが)の法則や定理であっても、そこには人間的な、社会的な何らかの配慮が働いています。

2016年3月12日土曜日

勉強には謙虚さが必要だ・・・#2

日本の誇るバイオリニストの江藤俊哉氏がこんな話をしていました。世界的バイオリストで大御所のアイザック・スターンに会ったときです。

スターン「君は変わったバイオリンの持ち方をしているね」
江藤「先生、今はこの持ち方が主流ですよ」
スターン「そうなのか」

それから暫くして、江藤がスターンに会うとスターンはバイオリンの持ち方を変えていた。

スターン「確かにこの方が上手に弾けるね」

確かこのとき、スターンは90歳前後だったと思います。誰も疑うことのない世界最高のバイオリニストです。にもかかわらず、バイオリンの持ち方という最も基本的なことを変える。まだ若かった江藤のアドバイスを素直に受け入れる。これが謙虚という意味です。

勉強には謙虚さが必要だ

三角関数のような分野は教える人によって方法が様々です。cos120°が -1/2 であることを知る方法は少なくとも4つはあります。その中の最も良い方法を教えるようにしています。

ところが、なかなかそれを受け入れない人がいます。このタイプはそこそこ勉強ができる人です。中学校では成績上位で、難関公立校に進み、高校では中位か下位といったの人にその傾向があります。自分がやってきた勉強方法に一方で自信があるが、一方では限界になっている。そして、それを捨てられないといったところでしょうか。

三角関数に戻ります。cos120°を求めるのは瞬間的です。それはそうとしか見えないからです。時計を見て、今何時か瞬間的に言うのと同じです。今3時だと答えるのはそう見えるからです。間違えることも無ければ、忘れることもありません。そして、瞬間的です。これは正しく練習すると直ぐそうなりますし、数学的にも三角形という枠を壊した、思考の拡張上にあります。

ところが、、「暗記すればいいんでしょう?」とか、「三角形を描けば直ぐわかります」とか言って、自分の今までやってきた方法に固執する人がいます。暗記したものは忘れます。図を描けば時間がかかります。「君のやっている方法なんて、俺は紀元前に捨ててきているんだよ」と彼らをからかうこともありますが、通じません。直ぐに受け入れる人とそうでない人の差がはっきり出ます。おそらく、最初から受け入れるだけの気持ちが無いのでしょう。一度苦労して?身に付けた方法を変えることができないのかもしれません。それが、ここで言う謙虚さがないということです。

学力を伸ばそうとすれば君の中にあるそのこだわりを壊す必要がある。それなしには数学も英語もその他もなかなか伸びないよ。そう思える場合があります。君が身に付けたものは大切だけど、新しいものを受け入れる余地が無いんだったら、さっさと捨ててしまいな!勇気は要るけどね。

2ヶ月さぼったら、取り戻すのに2ヶ月必要だ

新高一の授業を開始しています。

神奈川県は2月中旬に公立高校学力検査があります。4月に高校に入学し、様々な行事があり、授業が本格的に始まるのは4月中旬です。そのため、入試から2ヶ月間、厳しい勉強から離れてしまいます。

この間にみるみる学力が落ちでいきます。入試直前にできたことがもうできなくなっている生徒も珍しくありません。合格のために、短時間に詰め込んだことは短時間で忘れていきます。

かつて、プロ野球の落合監督が「2ヶ月練習をサボったら、取り戻すのに2ヶ月いる。当たり前だろ?」というようなことを言っていました。その通りです。

新高一の人にはこの3月、4月の使い方をしっかり考えてほしいと思います。同時に、多くの他県のように入試を3月にするのは無理なのでしょうか?

2016年3月5日土曜日

学習習慣の喪失

私が大学に入ったとき、学校はストに突入していました。井の頭線沿線にある教養学部に毎日通っていましたが、授業はなく、教室で先輩や自治会の委員や一部教授が議論や演説をするのを聞くだけでした。そんな状態が夏休み近くまで続きました。

田舎から出て来た私は東京のど真ん中でただ一人、三食をどのように取るか?(インスタントラーメン以外作れませんでした)、銭湯にどのように入るのか、洗濯をどうするのか(コインランドリーはまだありませんでした)とうことにも精力を注がなければなりませんでした。

その中で、高校時代に持っていた確たる学習習慣を喪失していきます。毎日机に向かうこと、一定量の勉強をすること。その習慣を忘れていきます。

それが私の人生を大きく変えたことは間違いありません。もし、入学時のストが無ければ・・・、最近そう考えることがありました。数年に渡るヨーロッパを中心とした旅や、30歳近くまでの国内流浪。そんなことも無かったような気がします。勿論、今の生活も。

18歳の自分に今なら最上のアドヴァイスができるのですが・・・

2016年3月2日水曜日

合格発表

2月29日公立高校の発表でした。

その晩、塾でお祝い会。遅くまで盛り上がっていました。

隣の教室では中2が授業でした。来年は君たちだよ。