2010年10月13日水曜日

今何をしているかを考えながら学習する

大リーガー松井秀樹の話です。彼は野球を始めた少年時代から、現在に至るまで毎日素振りを欠かすことはありません。

『素振りは究極の練習です。想像力次第でどんな状況にも身をおける。例えばまず、投手の姿を思い描く。球種とコースを考える。球の高低、内か外か。直球を打ちに行きカーブが来た、などの自由な設定でも素振りは可能。僕はどの球、コースでもセンターに打ち返すイメージで振ります。・・・・略・・・ 何も考えずにただ振ることは意味がありません。・・・必ず、試合での打席をイメージして振ります。』

こうして彼はワールドシリーズでMVPとなりました。

能力にあまり差の無いと思われる二人の生徒が、同じ勉強をしても同じ成果を得るわけではありません。その成果の差が能力によらないならば学習の質に違いがあるはずです。2人の高校生が同じ数学の問題を同じ時間解くとします。一方はさっさと解き始め一題終わるとすぐに次の一題にとりかかります。もう1人は問題の意図を考え、何を要求されているのか、今、自分がしていることは何なのかを考えながら解いていきます。一題終わった後にはその問題の解答に至る思考の流れを確認して、次の問題にとりかかります。こうした作業は短時間にできますから、処理した問題量はたいして違いません。前者の生徒はテキパキと問題を解いているので一見良さそうに思えますし、本人もやっているという感覚を持つだろうと思います。ただし、ひと月もするとその問題はすっかり忘れられていることも珍しくありません。あるレベル以上の問題ではこうしたことが良くあります。

勉強も運動も、自分のしていることを自覚的に意識しているかどうかによって、大きな差が出てきます。今、何のために単語を書いているのか。今、何のために計算をしているのか。意識しておきます。それが無いと、単語や計算が頭の中を通過していくだけになり残っていきません。いわゆる『練習のための練習』になってしまいます。

1 件のコメント:

  1. 何のために今これを自分はやっているのか。

    つい作業に没頭してしまうことがありますが、

    それこそが本当に大切なことかもしれませんね。

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