2010年8月30日月曜日

夏期講習終了です。

夏期講習中ブログの更新が殆どできませんでした。忙しさと暑さのせいだと言い訳をしておきます。
それにしても暑い日が続きます。熱射病による死者も相当数でているようです。

暑さによる死というのが問題になるのはそんなに古い話ではないように思います。今から、30年も前、初めてインドに行きました。まさに圧倒的な暑さで、一日に10数本のコーラ(ケンパ・コーラというやつです)を飲みました。飲んだ途端に喉が乾く。そんな暑さでした。その夏インドでは”熱波”で数千人の死者が出ていました。”寒波”という言葉は普通でしたが、”熱波”という表現は当時日本で聞いた記憶はありません。

私が泊まっていたニューデリーの安宿の隣で、灼熱の太陽の下、まだ小学低学年程度の子供が日干し煉瓦を担いで僅かな金を得るために働いていました。何日かすると”ナマステ”と挨拶をするようになりました。ベナレスに移動するため宿を出るとき、近くで買ったマンゴーを彼にプレゼントしました。不意をつかれて、驚く少年の目を今でも良く覚えています。彼らに十分な教育が与えられれば・・・と思いながらオールドデリーの駅に向かったものです。

数十年がたち、インドは今や世界に冠たるID国家になっています。
今日のように、空全体が晴れ渡った暑い日。外に出た瞬間、インドが蘇ることがあります。レンガを担いでいた少年や、食べ物欲しさにぼくの後を数百メートル追ってきた少女や、飲み干したコーラのビンに残った最後の1滴を飲もうと寄ってきた子供たちや、その他、言葉にできないほどの境遇で生きている子供たち、彼らに教育が与えられたのだろうか・・・

まだ、煉瓦を担いでいるような気がして、気持ちが沈みます。

2010年8月23日月曜日

ケアレスミスを無くすには

ケアレスミスを無くすにはどうしたらよいかという相談を時々受けます。技術的なことを幾つか挙げることはできるのですが、決定的なことはなかなか言えません。答えに窮して『人間的な成長を待つしかないですね』ということもあります。

口酸っぱくミスとその原因を指摘し続けてもたいして解決になりません。そのミスが数学に関してのみ起こるというのなら、それには対処法があります。しかし、ケアレスミスを沢山する人は他の教科でも同様にしますし、勉強以外でもあれこれとやっているはずです。実際にテストでケアレスミスをする人は、日常生活でも同様のミスを繰り返しています。つまり、日常生活の問題が勉強に投影されているに過ぎないのです。

本当にこうしたミスをなくしたいなら、日常生活の改善から始めなければなりません。うっかりする・・・という、誰にでもあることに厳しく対応できるかどうかです。新幹線のパンダグラフのボルトを閉め忘れたことによる事故が昨年ありました。新聞の全面広告でイベントの日時をうっかり間違えて、巨額の被害が出たという話もあります。それらに比べると勉強のミスはずっと実害が少ないといえるかもしれません。だから、繰り返すのかもしれませんが。

日常のミスがある限り、テストのミスもある。当然のことです。

2010年8月22日日曜日

読書感想文第一回「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

講師陣の集会にて「共通の読み物に対して読書感想文を書いて意見交換しよう」ということになったので、第一回には上半期のベストセラーの通称「もしドラ」を選択しました。



以下本編の核心的内容も含んでいますので、未読の方は閲覧にご注意ください。



まず読み物としての感想はサクサクと軽食を食べた後のような心地で、読み終わった後にはぁ~っと深いため息をはく程度ではなかったです。味自体は美味しかったけれども。
そういう意味も含めて、この本には「ライトノベル」という言葉がよく当てはまります。


ではなんとなく深みが削がれてしまった理由はなんでしょう。
ひとつに実世界とのギャップに違和感を覚える展開があり、首を傾げながら読む所があったからです。


一番大きかった場面は試合の描写で、何故なら東京で甲子園に出られる様な高校相手に本格育成一年足らずのチームが勝つことが現実的(理論的)に不可能だからです。
みなみ達はバッティングについてストライクボールの見極めに終始していたという描写からも、相手チームの投手が130キロ代後半のストレートをバンバンストライクに入れていくだけで間違いなく完封できる事がわかりますし、みなみ達もそれを承知していました。
しかし現実的には相手チームがみなみたちを見下しているならば尚更この作戦をとるはずで、連戦ですし無駄な球を投げさせる強豪監督はいないと思います。

言うなれば「妄想上で無抵抗な敵を一方的に殴る」ような描写が多々存在し、小説として内容が薄いものになってしまっていたのです。マネジメントをメインに置いた本なのですから、マネジメント対象が静的に評価されていた所は非常に残念でした。


ともあれ、女子マネージャーという日本人のほとんどが共通してもつイメージを題材にした点、ドラッガーのような経営書の硬さを一切省いた点、アクのない読みやすさは2010上半期ベストセラーを納得させるバランスで、「もしドラから学ぶマネジメント」という本が生み出せそうな位、商品として上手い仕上がりであったと思います。まさに技術ではなくアイディア。これからの社会を象徴する一冊だったかなと思いました。



第一回は5段階評価で星2.5をつけておきます。
では経営なんたるか等々より深い考察を語ることは他の先生にお任せするとして、僕の感想文は以上とさせていただきます。

2010年8月18日水曜日

100均の本を利用する

100均に行くと必ず、漢字や計算の本を見ます。それらはなかなか良くできていて、普通の本屋で入手するものよりずっと優れているものがあります。一般の書店では絶対に購入できない良書もあります。

その特徴は無駄な部分が殆ど無いことです。無意味なまとめや解説が一切無いものがあるからです。計算や漢字練習に関しては、ある程度やり方がわかったら、後は練習あるのみです。つべこべ言っている暇があったら、少しでも手を動かして、体に馴染ませなければなりません。それに最適な本は100均にしかありません。

最近の高校用問題集は解説の詳しさを競いあっています。詳しい解答が別冊になったものが主流になってきました。数学の解答は計算の一部始終を書いてあるものもあります。そうした、解答は実はとても読みづらく、答案としても決して優れたものではありません。積分を学習するのに、分数の加減まで詳細に書いてあるのはどうなのかな?と思ってしまいます。解答が詳しいと分かり易いというのはある種の幻想です。頭を使う部分がどんどん減ってしまいます。もっと、簡潔でポイントを押さえた本こそ、有用なのです。

限られた原価で本を作る。それが幸いして、100均に良書が並ぶのでしょう。

2010年8月16日月曜日

明日から夏期講習後半です。

塾もブログも一週間休みでした。明日から後半です。予習にスタンスを移していきます。

2010年8月6日金曜日

講師で本を勧めあって、読書感想文を書き合う

今日は久しぶりに全講師がそろって、現在の塾の状況や今後の目標などの話をしました。

いろいろと宿題もあるのですが、会の最後に、「講師同士で同じ本を読んで感想をブログに載せよう」という話をしました。
実は僕は、かなり前からこのことをやってみたかったのです。

前から読書については思うところがいろいろとあって、読書感想文という教育が良くないんじゃないかという話は以前記事に書きました。

http://www.youyoukan.com/2010/04/blog-post_12.html

で、講師同士で同じ本の感想をブログに書くと何が起こるか、と。

まず、僕は他の講師たちが面白かった本を読んでみたい。
本との出会いは本当に貴重な体験です。その後の人生に影響を与えることすらあるわけです。
そういった良書との出会いを増やせるというメリットがあります。

そして、その本を読んだ感想を話し合える。
これも貴重な経験になるはず。
最近「朝活」という、仕事の前に集まって勉強会をしよう、みたいな話をよく聞きますが、まぁそれに近い感じですかね。
同じ本を読んで、自分と違う視点を示されるというのは、かなり面白い経験になるはずです。
各講師のブログの感想文に他の講師がコメントをして、理解度が深まるのは考えただけで楽しそう。

最後に、その記事を読んだ生徒にも読書の楽しさが伝わるかもしれないという点。
講師たちが、とある本について感想を言い合っていて、興味を持ったら、その生徒も同じ本を読んでみたいと思ってくれるかもしれません。
そして、その本は講師の誰かが「この本いいよ!」と思った本なので、読んで絶対損はないはず。
とすれば、その生徒の成長につながるはずなんです。

と、少し考えただけでもいろいろと面白い効果がありそうなこの企画。

ぜひとも実現させたい。

ということで、まずは「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」から行ってみますか!

長尾先生、早く読んでね。