2013年1月25日金曜日

面接の練習

2度目の面接の練習をしました。1回目よりずっと良くなっていました。

新しい入試制度では、面接の比率は2割以上。無視できない数字です。といって、学力を着けなければいけないこの時期に、面接の練習にどの程度時間をかけるか。これは難しい判断です。

ある上位高の校長が「面接の練習をする時間があれば、勉強してください」と学校説明会で言ったそうです。私も当初そう思っていました。面接なんか形式だけだし・・・。どうせ、皆同じようなことを言うだけだ・・・と。

ところがどっこい。そうではありませんでした。生徒たちは自分自身と向き合う貴重な時間を持ったのでした。こんなに自分を見つめたのは生まれて初めての体験なのでしょう。その中で、彼らは明らかに成長しているのです。そうした生徒と面接の練習をするのは私にとっても大きな喜びでした。

2対1の面接練習のときのことです。「あなたにとって、中学校生活で印象に残ることを教えてください」という質問に、中3になって、厳しい受験勉強を始めてからそれまで好きでなかった勉強が好きになったことです。という内容の答えがありました。思わず、胸がいっぱいになりました。その他にもちょっとした感動を得る瞬間が何度かありました。

皆、1週間前より一段上の階段に進んでいました。技術的な話ではありません。一歩、人間的に成長したのです。すっくと立ち上がって、自立への道を歩み始めたのです。

授業後、面接を指導してもらっている八木先生とこの話をしました。やって良かったと心の底から思えました。


2013年1月22日火曜日

悠々会、後日談。

悠々会のあった日、最終バスに乗り遅れたため、塾で仮眠を取っていました。こんな時のために置いてあるスリーピング・バッグに潜り込み惰眠を貪ります。

深夜3時頃。夢の中でインターホンが鳴る音がしました。ピンポーン!”えっ?何?”その音で目覚めたかどうか、ハッキリしません。半ば無意識に耳を澄ませます。誰か来たのなら、もう一回鳴るだろうと思ったような記憶があります。

次に目覚めると、朝の5時でした。始発のバスで帰るための準備を始めました。

さて、数日後です。大学生のK君がまだ、悠々会やっているかと思って深夜に顔を出したのだという話を聞きました。バイトで遅くなったのですが、それでも寄ってくれたようです。

「そうだったのか・・・。夢じゃなかったのか・・・。久々に会いたかったなあ」

K君。ありがとう。今度は必ず起きるから、また寄ってね。

2013年1月20日日曜日

土曜講習:国語

少し前に、負荷のかかった読書として国語の問題集を読むと良いと書きました。

今日は土曜講習で長時間の授業でした。5教科の予想問題を解き、その解答と解説をします。昼の12時に始めた授業は夜の7時を迎えて終了となります。生徒の疲労を考え、元気なうちに数学。疲れた頃(最後)に国語をやりました。

今日の国語の出典は

① ”路傍の石”の作者、山本有三の”心に太陽を持て”から一編。戦後の長野にリンゴの並木道を作ろうとする中学生とその先生の話です。目頭が熱くなります。
② ”唯脳論”の解剖学者、養老猛の”個性”に関する文章。”馬鹿の壁”他で今や、人気作家の養老先生ですが、まだ知名度が低かった頃、詩の雑誌”ユリイカ”に主著”唯脳論”を書いていた頃からの読者です。自我に個性があるのか?という問いを明快に否定してみせる相変わらずの論理の切れに脱帽です。
③ ”宇治拾遺物語”から大友皇子に関する古文。歴史上の人物にこれだけ血肉を与えられるとは・・・歴史でしか知らない人々の心の有り様を見事に描いています。
④ 他、情報化社会に関する1文。

これだけの物を50分で読む。至上の喜び。問題を解くことを忘れ、文章に没頭します。国語は楽しい。残念ながら、解答解説の時間がほとんど無くなり、その喜びを伝えられないで終わりました。

本当は設問など無視をして、養老先生の思想の近傍へと散策の旅をしたかったのですが・・・。


2013年1月18日金曜日

面接

面接の練習をしました。試験官が2名。受験生が1名のタイプです。

1対1の面接では面接する側も、筆記や質問に忙しく、受験者をしっかり見ることができません。2対1になるとメインの質問者が話している間に、受験者の表情や話の内容を注視することができます。
生徒のほうも試験官が2名いると、緊張の度合いが違うようでした。

いろいろな問題点が出てきました。本番までにもう数回やって、それを解決しなければなりません。

2013年1月12日土曜日

悠々会のお知らせ

1月17日木曜9時。本年最初の悠々会を行います。
都合のつく人は是非参加してください。

2013年1月10日木曜日

国語の問題集

国語(読解)の力をつけたいんだけど沢山本を読めばいいのかと生徒に聞かれることがよくあります。そのときにはこう答えています。

「本当に沢山読書をすれば読解力は上がると思うけど、ただ本を読んで読解力がつくとは思わないほうがいいよ。」そして、「どんな本でも良いというわけではなく、多少負荷がかかるものを読まないと効果は無いんじゃない」と。

それに対し、
「じゃや、どんな本を読めばいいの?」
という質問が続きます。

さて、数日前の冬期講習の時間です。テキストにある大野晋(国語学者)の文を読んでいました。あまりに面白くて、その中に浸りきっていました。

ふっと、気づくと生徒全員が私のほうを見ています。「えっ?」

そうです。皆、設問を解き終わっていたのです。私だけが、その文を読みながら、独りで思考の世界に入り込んでいました。生徒も授業もその瞬間忘れてしまっていたのです。

その日、家に帰り、以前読んでいた大野晋の本を読み返しました。

そこで、2番目の質問に対する答えです。問題集に載っている文はどれも有名な作家や学者のものです。今回のテキストでは河合隼雄、高階秀慈、大野晋、長谷川真理子など、そうそうたるメンバーです。そして、その文のレベルはある程度の負荷がかかった質の高いものです。これを読めばいいのです。設問に答える必要はありません。唯一の問題は文章が短いことです。気に入ったものがあれば、図書館等で借りるなどして読むことにします。

2013年1月7日月曜日

冬期講習最終日

本日で冬期講習が終了です。
明日(火曜)より、通常授業を再開します。

2013年1月2日水曜日

ラジオ・デイズ

ここ数日、ラジオを聴いて暮らしています。今までは電波状態が悪くラジオを聴くのは難しかったのですが、ネットでラジオが聞けるようになって、その魅力にはまっています。

今日はNHK第一放送で慶大経済学部の金子勝教授と教育評論家の尾木直樹氏(尾木ママ)の2時間に及ぶ対談がありました。なかなか面白い対談でした。その中で気になったことを忘れないようにここに箇条書きで書いてみたいと思います。メモを取っていなかったので、内容はいささか怪しいですが・・・。

①日本の国が負担する教育費は先進国ではずっと下のほうで、その逆に個人が負担する入学前教育(保育園や幼稚園)や高等教育(大学等)の費用は世界で最も高い。つまり、教育に公費が先進国中最も入っていない。

②世界各国を対象とした大人(25歳位?)の学力調査(理科)で日本は先進国中最下位に近い結果だったが、その人たちが高校1年(15歳)のときに行った理科の学力調査では世界でトップレベルだった。つまり、子供の学力低下を嘆いている大人が多いが、実は嘆いている大人たちこそ学力低下が著しいのだということ。

③世界の多くの国が将来的に大学教育を無償化するか、その方向にしようとしている中で、そうしないと明言している国は日本とマダガスカルだけ。

④教育は未来に対する投資なのだが、自分自身が子供の教育を終えると、そのことに関心を無くす人が多い。たとえば、子供が高校生のときに無償化に賛成していた人が、子供がひとり立ちすると、とたんに、高校を無償化するなら、老後のために税金を使えと言い出す。

⑤大学の奨学金は3%の利子がつくようになった。以前の育英会は無利子だった。そのため、大学を出る段階で少ない人でも300万、高校から奨学金を使うと人によっては1000万もの借金を背負って世に出ることになる。若者の半数が正規雇用に就労できない社会では、その借金を背負ったスタートは厳しい。外国にはこんな例はほとんど無い。

⑥聖域無き構造改革の名の下に、教育も改革されて沢山の株式会社立の学校ができた。大学と通信制高校などに多いが、月謝が高く、教員の質にも問題があり、経営が上手くいかないと直ぐ撤退する。

⑦若者は日本の未来です。彼らに十分な教育の機会を与えなければなりません。大学が山ほどある我が国では教育の機会は十分に与えられていると思えるかもしれませんが、我が国における教育の機会とは経済的な問題です。

なかなか面白い対談でした。

2013年1月1日火曜日

明けましておめでとうございます

新年です。受験生にとっては身の引き締まる元旦かもしれません。

1月4日から冬期講習後半が再開です。それまでに去年暮れにやったことの復習を終わらせておきましょう。

今年が良い年でありますように