2011年3月3日木曜日

理科総合って?

テスト前日の生徒と化学Ⅱをやりました。硫酸銅・5水和物の析出の問題でした。その生徒は中高一貫校の2年生で、公立高校よりずっと速く進んでいます。

ところが、僕はその同じ問題をもっと早く、公立高校1年のときにやっています。その問題には特別な思い出があってよく覚えていました。

中高一貫校は1学年程度、公立高校より進度が速いと言われています。確かにその通りです。ただし、それは公立高校がその内容を少しずつ減らし、更に『ゆとり』になり決定的に学習内容を減らしたためです。私立一貫校が速くしたのではなく、公立が一年以上遅くしたため、相対的に速くなったわけです。

新指導要領では高校でやる『理科総合』の多くの部分が中学に戻っていきます。そして、中学の延長のような高校の『理科総合』がなくなることになります。理科総合は中学校の理科の多くの部分を高校にまわすためだけにできたような教科です。ゆとりで扱えなくなった部分をまとめて『理科総合』とし、高校にまわしたのでしょう。以前、問題になった、高校での未履修もこの理科総合と無縁ではありませんでした。なくなって当然だと思います。

いったい、この10年~20年は何だったのか?

『失われた10年』は決して経済や文学だけのことではありません。

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