電卓で1÷3×3を計算すると0.9999999となります。
これを生徒に見せると皆一様に驚きます。
「1÷3×3=1だから、電卓が壊れてるの?」
「いや、どの電卓でも同じ結果だよ」
「じゃあ、1÷3×3=1じゃないの?」
「とんでもない。間違えなく1だよ」
「じゃ、どっちが正しいの?」
「多分、両方とも」
「・・・・・?」
極限という概念は大変怪しいものだと思ってきました。
中世の神学者たちが「神の存在証明」をするときに、人間から神にいたる無限の距離を証明しようとしてついに果たせなかったように。もし極限という概念を使っていたら、
lim人(n)=神
n→∞
ということになっていたかもしれません。
ギリシャ時代の『飛ぶ矢は飛ばず』や『アキレスと亀』といったパラドックスはこの部分をついているわけです。
大学の数学でやるテーラーとかマクローリンとかの展開で、ある微細な部分を『ごみ』と呼ぶ人もいます。我々の科学はその『ごみ』によって、充足されているようにも見えます。『塵も積もれば山となる』なのです。
そう言えば、「ハヤブサ」が持ち帰ってきたのも「塵」でした。
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