2011年2月18日金曜日

少年Nと悠々館①

高校1年生の時、Nは塾に入っていませんでした。自主自律という校訓など全く知りませんでしたが、「高校からは自分で勉強する」といって中学まで通っていた塾を離れたのです。
本心はその塾が「江南行ったなら東大行け!」と言う位高校生に対してしっかりと進路指導する所だったので、そのまま塾を続けていたら部活を続けられないと思ったからでした。
こうして初めて鎖を解かれた少年は、真っすぐと下降の道を歩むことになります。


おかしいなと感じ始めたのはいつからでしょうか。
テストの点はとれない。授業も身が入らない。学業が楽しくない。先生からポジティブな言葉をかけられた覚えは一度もないし、とにかく学業についてまともな覚えがありません。
周囲はやれ横国だ、MARCHは最低限と話す中、Nは自分が入れる大学なんて存在するのか?と思っていました。


原因は「家庭で学習する習慣が無いから」
Nとしては中学のテスト勉強は家でやっていたので高校でも同じようにやれば良いと思っていたのですが、現実は家に着くと何もやる気が起きませんでした。
とにかく眠い。机の横のベッドが放つ重力は強力で、彼は容易に吸い込まれていったものです。


そしてそのまま2年生になり、転機の瞬間が訪れます。
学校の先生「ではN君、この直線のtanθはいくつかな?」
N「え、、、わかりません。」
先生「えぇっ!?ちょっとちょっと勘弁してよ(笑)」
呆れてものも言えない。といった顔をした先生は少し合間を空けた後、別の人に答えをもらい授業を再開しました。

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