2011年2月24日木曜日

相手と自分を思いやる

プロ棋士の依田紀基氏が著した「プロ棋士の思考術」は、私にとっては氏の思考術よりもその半生や社会の諸問題に対する氏の意見に対して印象の残る本でした。
氏が内弟子になった時のエピソードの中で、今でも役に立っている言葉があるので紹介します。


『ただ、(師匠の安藤氏の)奥さんからは、安藤家の家訓みたいなものを2つ言い渡された。
「絶対に借金の保証人になってはいけない。保証人になる位なら、今持っているお金を全てその人にあげなさい。」
「お金を貸してもよい。しかし、貸したなら、それはその人にあげたと思いなさい。絶対に催促してはならない。」』
(以上『』内部著書「プロ棋士の思考術」より抜粋)


これを読んだ当時の僕には保証人も金銭賃貸もまるで無縁の話題ではあったのですが、当時から大切にしておこうと思ったものです。
発想が素晴らしい。無慈悲に「保証人になるな。」ではなく、「なる位なら、持っているお金を全てあげなさい。」という発言にはこの奥さんの人情味があふれ出ています。


ここで大切なことは【相手と自分を思いやる】事です。
例えば団体の会計等を自分が管理している場合などは、どうしても返済を催促せざるを得ない場面もあるでしょう。その時も「○×までに全額返して!」ではなく、どうすれば無事に返ってくるかを考えた方が確率も高くなるし、お互いに建設的なストレス程度で済みます。


信頼している人間が思ったよりも行動してくれない事は良くあることです。
逆に信頼を得ているにも関わらずなかなか手が進まない事もあるでしょう。
それを理解する事こそが、第一歩なのではないでしょうか。




**************************************
悠々館では只今中学準備講座を受付中です。

0 件のコメント:

コメントを投稿