2011年9月15日木曜日

フィールズ賞

学校推薦で校内の選抜が決まる時期になりました。早々に合格を出した高校生がすることはたいてい自動車の免許を取ることと、アルバイトをすることのようです。最近は推薦入学の生徒のレベルの低さに危機感を抱いた大学が課題やレポート、場合によっては通信教育などの勉強をさせることもあります。それにしても、高3のこの時期から来年の4月まで半年以上(あるいはずーっと?)ほとんど勉強をしない者が大学に入学していきます。 驚くことです。

数学のノーベル賞といわれているフィールズ賞は40歳以下の数学者に与えられる賞です。4年に一度ということもあり、日本人の受賞者は僅か3人です。なぜ40以下の人に与えられるの分かりませんが、こう想像しています。

数学は物理、化学、生物などに比べ、経験や実験を必要としません。純粋に思惟することによってできる部分が大きい学問です。ギリシャの神、アポロが詩と音楽と数学の神であったのは偶然ではないのでしょう。詩、音楽、数学は、他の科学、芸術と比べ圧倒的にピュア・サイエンスなのです。こうした純粋に頭脳のみを使った活動は人間の持って生まれた部分の影響を色濃く受けます。そして、10代後半から30代でそのピークに達します。運動選手なら当たり前のことですが、数学もある意味で同様です。40代の頭脳は10代の頭脳のように動きません。そんなことが40歳以下の理由の一つかと考えています。

さて、その最も頭が動く、18歳から19歳の半年以上を大して、頭を鍛えることなく過ごす。運動選手が半年トレーニングをサボればどうなるか、誰にでも分かります。一方、頭の中は見ることができませんから、それがどうなっているのか分かりません。しかし、鍛えなかった体と同様になっていると考えてもそんなに間違ってはいないように思います。

推薦が決まった人。AOで受験する人。そのことを考えておいたほうが良いよ。

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