2011年4月21日木曜日

上下・左右

3x=5 を解かせると x=5分の3 としてしまう人がいます。しっかり理由を説明して、x=3分の5であることを理解させると、しばらくの間(人によりますが、その日だったり、数日だったり、半年だったりします)は正しくできるのですが、また、もとに戻ってしまうことがあります。間違いを意識しているうちは大丈夫なのですが、意識しなくなると、また逆になってしまうようです。

これは数学を理解しているかどうかというレヴェルのことではなく、もう少し感覚的なものに関係しているようです。繰り返し練習して体に馴染ませたとして、数年後にまた元に戻っているというケースもあります。案外厄介なのです。

同様なことは英語でも起こります。中一でまだ英語を習い始めたばかりのとき、bag  を dag  とする間違いです。これは上下ではなく左右の問題です。数学と同じように間違えを指摘し、練習させることで減ってきますが、これもなかなか治らない場合があります。数ヶ月たって、もう大丈夫かなと思った頃、book  を dook と書いたりすることがあります。

さて、良く耳にする『鏡では上下はそのままなのに、なぜ左右は逆になるの』という疑問です。その答えは『上下は勿論、左右も逆になっていない』です。右の手のひらに『右』という字を書いて鏡の前に立てば右手の側に右手があります。左右は逆になっていません。といって、それが感覚的に納得できるかというとそれはまた別の問題です。

ある夫婦の会話です。妻が運転をし夫が後部座席でビールを飲みながら道の指示をしています。
夫『次右ね』
妻『分かってるわよ』 ビールを飲みながら繰り返し出される指示にいささか苛立っています。
夫『次の角だよ。右。右』
妻『もう・・・・しつこいわね。右でしょう』と言いながら、ハンドルを左に切っています。車は当然左に曲がり・・・・
夫『おい、左に行ってるよ』
妻『うるさいわね。自分で運転したら』
良くある話です。

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