ここ2週、小学生のクラスで四則の100マス計算を時間を計ってやっています。計算そのものは易しいものなので、全員100点を取ります。何かを身に着けるために、或いは何かに習熟するために100マスを使うことは良くやるのですが、今回はただ単に速くやることのみが目的です。陸上の選手のように、1秒でも記録を短くすることを目指しました。
以前、ドイツの有名ピアニストが
「日本ではリストの曲をどれだけ速く弾けるか、ストップウォッチで計っていると聞いた。そんなやり方では音楽性が育たない」
と言っていました。
「なるほど」と思っていました。
最近、考えが変わってきました。
時速3kmで歩く。時速10kmでジョギングする。時速20kmで自転車をこぐ。時速100kmでバイクに乗る。それぞれ感覚が違っています。やがて、速さに慣れてくると、その中で十分なことが出来るようになります。数学の、特に計算はそうした傾向があります。
だらだら歩くことしか知らない人間に、走れ!と言っても詮無きことです。しかし、少し走る練習をすると今までとは違った感覚を得るかもしれません。
実は、こうした100マスの練習は中学・高校レベルで数学が苦手な人こそ必要なのだと思います。定積分の計算や数列の和その他、小学レベルの簡単な計算が自在でないためてこずっている人が多いからです。
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