2012年4月25日水曜日

京都で痛ましい車の事故が続きました。車は凶器なのだということを比喩としてではなく、事実として納得させられました。

事故のニュースを聞くたびに、大学で心理学を教えていた友人Mのことを思い出します。

雨の降る夕暮れ時、授業を終えたMはキャンパスを出た最初の交差点を左折するとき、前方から自転車で来た老婦人をはねてしまったのです。即死でした。

Mは数年の間、大学を休職し、裁判の判決が出た後、大学に復帰しました。そして、最初の授業を行った翌日、遺書を残して家を出ます。遺体が発見されたのは更にその数年後でした。

人の人生は思いがけないことで簡単に変わってしまいます。当時、大学生と中学生だったMの2人の子供の人生も同様です。数年に1度、彼らに会う機会があります。何事も無いかのように振舞う2人ですが、口には出せない苦しい日々があったはずです。

いつも複雑な思いを抱えたまま、彼らと別れます。

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