最近、横断歩道に立っている人がいても止まる車が少なくなったように感じます。
私自身も小さな子か老人が立っているとき以外、あまり止まらなくなっています。
未だ車のある家庭が珍しかった頃。雨降りのぬかるんだ道路を歩いていると、歩行者とほぼ同じくらいまでスピードを落とし、水を飛ばさないように車が通り過ぎたものでした。時には車の窓を開けて、「坊や、ごめんね」と一声かけていく人すらいました。
「アメリカには各家庭に1台以上車がある」と社会の授業で聞くと、小学生だった私たちはアメリカというとんでもない国を呆然とイメージするのでした。
時は移り、モータリゼーションの発達と経済成長によって私たちの生活は驚くほど変わりました。その豊かさの恩恵を受ける一方で、横断歩道で立っている人や雨の歩道を歩いている人に対するちょっとした思いやりが失われていきました。スピードが上がれば車窓の風景は流れ去るばかりです。
”何かを得るためには何かを失わなければならない”残念ながら、そういうことなのかもしれません。
昨晩の雨の中、車のはねる水でひざから下を完全に濡らしながらそんなことを思いだしました。
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