2011年6月24日金曜日

大学生に数学を教える

 大学に合格して、塾を止めた生徒から数学を教えてくれとか、化学を教えてくれと頼まれることがしばしばあります。数回の授業ならアフターケアとして無料で見ています。高校のときは違った、より成長した生徒と大学レベルの数学をする。なんとも言えず楽しいものです。
 難関大学の場合、文系学部でも経済や経営は数学を必修とするのが普通です。行列を中心とした線形代数の学習は避けられません。にも拘らず、私大文系は数学を受験科目からはずしています。それは受験生を多く集めたい(数学を受験科目にすると、受験生が激減する。そうなると受験費用が稼げない)という大学側の経営的判断で、学問的判断ではありません。
 高校時代ほとんど数学を勉強せず、早稲田の政経に入ったものの、数学の単位をついにとれずに退学となった友人がいます。最近は推薦・公募・AOといわゆる学力検査としての受験を経ない入学者の比率が大きくなっています。そのため、物理を全く知らない工学部・建築科の学生や化学を履修していない薬学部の学生といったケースが普通にあります。
 日本の受験システムはとっくに実情に合わなくなっています。様々な権益や巨大になった組織、そこで働く人々。学問とは無関係なところでこのシステムが維持されているようです。

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