遅い時間に帰宅し、TVを見ながら一人で食事をします。TVはなんとなくチャンネルを回しながら、気になるものを見るといった見方です。
『英語の参考書・辞書に載っているとんでもなくおかしい例文ベスト3』というような内容の番組でした。第2位の例文は『地面に顔がつくほど背中の曲がったおばあさんが・・・』というものでした。
登場していた3人の芸能人がその例文の滑稽さをいろいろ揶揄しました。『こんなばあさんいるわけねえだろ』と腰の曲がったおばあさんのまねをし、『杖持ってたら、一番下を握っている』といってそのまねをして3人で大笑いをするという内容でした。その3人のうちの1人は『東京シティーボーイズ』の『きたろう』でした。彼の年齢から考えて、そうした老人が日本に大勢いたことを知らないとは思えません。
長い労働の中で、体が深く折り曲がり、(英語独特の誇張があるとしても)顔が地面につくほどに腰の曲がった老人はこの国には沢山いたのです。彼らがこの国の農村と現在の発展の礎を作ったのです。最近そんな老人を見ることはほとんどなくなりました。でも、忘れてはならないのです。体が変形するまで過酷な労働を不平を語ることなく長期にわたり、黙々とこなした人々のことを。
田舎に行くと、今でもそうした老人に稀に会うことがあります。心の中で深く敬意を払う以外に何ができるのでしょう。
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