2011年5月15日日曜日

もう、30歳になった数名の教え子が塾を訪ねてくれました。
彼らが高校のときに、数学を教えていました。

そのうちの一人は生まれて8ヶ月の子供を連れてきていました。案の定、私の顔を見ると今にも泣きそうになり、いろいろあやしたのですが、最後は泣かれてしまいました。

一通り、近況を話したとき、『学校へ行くようになったら、お願いします』と言われました。
一瞬『この子が中学になるとき、俺は・・・』と年齢の計算をし、『大丈夫、まだ生きてる』と答えました。

NHKで90歳を過ぎた灘高校の元国語教師のドキュメンタリーをやっていました。彼は今や日本最難関高校になった灘高がまだ有名になる前から教壇に立っていた人です。一年間にたった一冊の本を読むそんな授業をしていたそうです。

その90歳の誕生日を祝う集まりには東大学長を含む、そうそうたる教え子が集まっていました。壇上に立った元国語教師はこう言ったのです。
『今の私の夢は、もう一度灘高の教壇にたって、国語の授業をすることです』と。
『おーっ』という歓声とともに、割れんばかりの拍手が会場を包みました。

心に鉄槌を打ち込まれた感じがしました。

0 件のコメント:

コメントを投稿