2018年5月6日日曜日

リンゴとappleの距離

target1900のような一対一対応型の単語帳をやっていると りんご=apple という単純な対応関係をひたすら覚えることになります。

そうした意識で英語をやっているとあるレベルで学力が伸びなくなります。多くの生徒はある英語に対応する日本語が一対一で存在すると考えていますが、そんなものはもともとありません。私たちがイメージするリンゴは赤くて、大きくて、甘くて、蜜の入ったそんなリンゴかもしれません、一方、アメリカ人がイメージするリンゴは青くて、小さくて、ちょっと酸っぱいリンゴかもしれません。そして、そのリンゴは彼らの生活の一部にべったりとくっついたものかもしれません。一時期、NHKで放送されていた人気番組”大草原の小さな家”の主人公ローラはお弁当にたいてい青い、小さなリンゴを持っていきました。それは私たちの文化とは異なっています。

あるレベルから英語が伸びなくなる理由は、言語に関する想像力の欠如です。appleはリンゴだという単純な翻意が役立たなくなるのです。appleがなにかという想像力が必要なのです。そして、その想像力は多くの知識を前提とします。日本語とか国語といった教科の問題というよりはもっと広い意味で言語能力の問題です。残念ながら、これは学校教育で身に着けるものではなく、長い成長段階で様々な形で身に着けるものです。その多くは家庭、家族なのでしょう。

国立大学あるいは早慶からマーチレベルの大学の問題を理解するにはただの英語力ではなく、もっと幅の広い意味で言語能力が問われています。生徒の英語を教えていて感じる大きくて、つらいギャップです。

そういえば、昔は蜜柑のことをオレンジと言っていました。関税が下がりオレンジがアメリカから大量に輸入されるとさすがに蜜柑とオレンジは別物だと日本人も理解するようになりました。今では。蜜柑はタンジェリンです。タンジェリンを食べたことがないので、それを蜜柑と呼ぶかは未定です。

0 件のコメント:

コメントを投稿