2010年1月22日金曜日

漢字の『とめ』と『はね』の区別は必要か?

模擬テストの自己採点をして、実際の点と異なる場合の一つが漢字の採点です。概ねあっているが『とめ』『はね』が異なっているため、バツにになっているというケースです。これをどう考えるべきでしょうか?

新聞でそれをどう扱うか書いてある記事を見つけました。
ある私立中学校は「とめ・はねについては入試の際、正誤の判断の基準とはしません」
ある大手中学受験塾は「とめ・はねは余り気にしないように指導している」
別の大手中学受験塾は「とめるところはとめ、はなるところははねる」
ということでした。

さっぱり、分かりません。どうすればよいのでしょう?

その新聞記事にはこんなことが書いてありました。
①漢字のとめ・はねは毛筆で字を書くようになって意識されるようになった。
②したがって、漢字発生の初期の段階ではとめ・はねの区別は無かった。
③新聞の書体は製作の都合上、はねよりとめが簡単であり、教科書ではねているものでもとめにしてあるものがある。
というようなことでした。

おおざっぱに言えば
筆記用具の性質(毛筆か硬筆かその他か等)によって、とめ・はねは異なってくる。勿論書体(明朝体か教科書体かゴシック体かその他か等)によっても異なってくる。
ということのようです。

となると、こうしたことで漢字の正誤を判定するのは如何なものなのだろうか?ということになってきます。現実には、小学校の国語では先生によりますが、とめ・はねは大変厳格です。普通の大人が見て正しいという漢字が間違えにされることも多々あります。

さて、最近の高校生は余り辞書を引きません。電子辞書を使ったり、携帯の辞書機能を使ったりしています。その際、漢字が正しく表記されているのかどうか気になります。今から20年以上前まだパソコンが登場したばかりの頃、16ドットとか24ドットとかの大変目の粗いプリンターが普通でした。そして、そのプリンターによって打ち出される漢字はよーく見ると線が一本足りなかったりしていました。しかし、大抵の人はそれに気づかないようにうまく作ってありました。もちろん、とめ・はねなんかほとんど無視してありました。

こうした言語環境の中で、とめ・はねの正誤を問うような漢字テストをすることに私自身は疑問を抱かざるを得ません。どうなのでしょうか?

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