Time flies like an arrow. を日本語にできますか? 勿論『光陰矢の如し』です。時間は矢のように過ぎて行くというわけです。
随分昔、未だパソコンが無かった頃のことです。MIT(マサチューセッツ工科大)に留学していた若い研究者から聞いた話です。大型コンピュータで英語を日本語にするプログラムを作っていた学者が、『Time flies like an arrow.』 を訳したところいくつもの候補が出てきました。
最も可能性のある順に
①時間蝿は矢が好きだ(time:時間、 flies: fly蝿の複数 、like:好き、an arrow:矢)
②・・・・・・・・・・・・
③・・・・・・・・・・・・
④・・・・・・・・・・・・
⑤時間は矢のように飛ぶ
⑥・・・・・・・・・・・・
のようだったそうです。①の訳は文法的に正しく、コンピュータとしては自信満々の翻訳ったようです。②~④も文法的に正しいが、内容が当てはまらないもので、5番目でやっと正しい訳が出てきます。
この事情は今もあまり変わっていません。中学生がたまに自分の書いた英語の作文を見てくれといって持ってきます。大抵、中学校の宿題で、『修学旅行の思い出』とか『将来の私』といった内容です。一目見て、変な文だと感じます。その一秒後に翻訳ソフトを使ったなと気付きます。理屈(文法)のみで作られた文がどんなに滑稽かを思い知らされます。人間がする翻訳である限り、どんなに初心者の英語でも、どんなに英語が苦手でも、どんなに直訳でも、そこにはある判断が働いており、間違えの数はずっと多くとも、しかし、ずっと血の通った文章になります。
さて、翻訳ソフトを使うときには機械が翻訳しやすいように分かりやすい日本語にすると良いですよ。まだ言葉が上手くしゃべれない子供や、日本語学習中の外国人に話すように、噛み砕いた表現をすると上手く訳せます。彼ら(翻訳ソフト=パソコン)はまだまだ子供なのですから。
2009年10月27日火曜日
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