2013年6月4日火曜日

日榮社の本

日榮社という出版社を知っていますか?古典や英語に関する本を多数発行しています。薄い本が多く、表紙は地味。手元にある「要説・徒然草」にいたっては実に451版という息の長い本です。

高校英語の教材として日榮社の英文解釈と文法を使っています。税込みで306円。驚くほどの安さ。そして、版を重ねているため出典がいささか古いという感じがしますが、1,000円を越す最近人気の本に引けを取らない内容。とても気に入ってます。この本を何周もして、英語力を高める。

まさに、『 ボロボロになれば それが 聖書 』(藤原新也) なのです。

最近の問題集は問題よりもずっと多くの解説があるものが普通になっています。解答・解説が本体より厚いくらいです。そして、そのような解説がないと理解できないという高校生が増えています。実際、アマゾンの書評などを読むと、解説が少ない(私には必要十分だと思われる)ものは散々なコメントが付いています。日榮社の本はそうした流れに乗っていません。

大学受験の問題集に中学基礎の説明がなければならないのか?全ての単語の注が必要なのか?ということです。

そういえば、現在、公立上位校が使っている数学の教科書傍用問題集はたいてい『サクシード』と呼ばれる数研の本で、詳しい解答書が付いたものです。昔は上位校はどこも、同じ数研の『オリジナル』という傍用問題集を使っていました。サクシードより1レベル難しい問題集です。それには詳しい解答集がありません。巻末に簡単な答えがあるだけです。その簡単な解答を頼りに、皆数学と格闘したものです。残念ながら、今は、一部、私立校で使っている程度です。

かつて参考書を書いた経験からすると、詳しすぎる解答は返って分かりづらくなると感じました。簡潔で的を得た解説で十分なのです。ただ、それで理解できるかは個々人の学力次第ですが。

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