ここ数年、新卒の就職活動はなかなか厳しいものがあるようです。しっかり勉強しておかないと仕事も見つからないよと生徒に言ったこともあります。
ところが、昭和20年代に生まれた団塊の世代が退職し、その後の世代も退職すると我が国の労働人口は大きく減少します。現在のように、採用側が有利な買い手市場から、就職をする側(売り手)有利の市場に変化します。それはそんなに先の話ではありません。今の中学生が就職する頃にはそうなっているようです。
それでは勉強しなくても、楽々就職できるかというとそうでもないのです。大手企業では優秀な外国人との競争が激化するようですし、企業そのものが優秀な若年労働者のいる国に出て行ってしまうかもしれません。
こんな不透明な時代にこそしっかり勉強し実力をつけておかなければなりません。あるユダヤ人が「なぜユダヤ人は沢山のノーベル賞受賞者や芸術家を輩出するのか?」と聞かれ「全てを無くしても、頭の中にあるものは無くならない。流浪の民であるユダヤ人は頭の中のものだけを信じたのだ」と答えていました。
「勉強して何の役に立つの?」という質問は豊かな社会に生まれた人の考える質問です。貧しい社会では勉強することによってしかその状況を抜け出ることができないケースがほとんどです。そして、勉強する機会はだれにでも与えられているわけではありません。
かつて、インドを旅していたころ、炎天下で日干し煉瓦を運ぶ少年たちを見て、「もし、彼らに教育がなされたら・・・」と考えることがありました。それから数十年たち、インドはやがて日本のGNPを凌駕することが確実になりました。
今日のような炎昼、ふと、あのときの少年が青年になり、にこりともせず、黙々と日干し煉瓦を運んでいる姿をイメージするときがあります。
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