2011年12月1日木曜日

自立して考えるようになれるのだろうか?

最近の高校用問題集は本体より厚い解答がついているのが普通になりました。数学も英語も分からない部分が無いようにとんでもなく詳しく、そして基礎の基礎から解説してあります。嘗ては、日本中の高校で使われていた数研の「オリジナル」のようなハイレベルのしかも詳解の無い問題集を使える高校は極々、一部の進学校だけで、大抵の学校は詳しい解答のついた、もっと易しい問題集しか使用できません。

その結果、かえって分かりにくいという皮肉な状態になっているものも多く出ています。詳しすぎる解答は実は分かりにくい解答なのです。重要な、分かりにくい部分のみを詳説すれば十分なのですが、1から10まで同じように詳細に解説するため、ポイントがつかめず、どうでもいい部分にまで時間をかけざるを得なくなるからです。高校になってまでx-(x-2)=x-x+2=2などという説明は不要のはずですが、小学以降の基礎トレーニングが欠けた高校生が多いので、そうしたニーズがあるのかもしれません。更なる問題は、詳細すぎる解答によって、考えるという作業がどんどん減ってしまうことです。その問題は理解できたが、頭は少しも鍛えられず、他の類題を解けるようにならないのです。

社会や家庭が子供を甘やかしたのと機を一にして、問題集も子供を甘えさせているかのようです。

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