「・・・高校は偏差値が55ですよね」という話は受験生本人より父兄の話の中で出てくることが多いように感じます。どこの偏差値か尋ねると、たいていウェブ上に出ているものです。
私はウェブ上の偏差値をほとんど信用していません。怪しいものがあふれています。2012年版偏差値といいながら、数年前に廃校になった高校が載っているものすらあります。ちゃんとした一定量のデータを持っているとも思えないし、計算しているかさえ疑わしいものです。おそらく、どこかの模試や塾の偏差値表を借用し、それに手を加えたものなのでしょう。
日本の数学教育で「統計」はいつも日陰の存在です。かつての数学Ⅲには、微分積分とともに統計の章がありましたが、大学入試では数Ⅲ(統計を除く)というのが一般的でした。そのせいか偏差値に関してはよく分かっている人があまりいないようです。
とりあえず、偏差値をおさえる最低のポイントは母集団の異なる偏差値を比べることには意味がないということでしょう。国立大学の理系と文系を比べる。こうした比較は有意性を持ちません。数学で同じ60点を取ったふたりの文系、理系受験者の偏差値は通常、理系のほうが低くでます。理系受験者の数学平均点が文系受験者の数学平均点より高いからです。
偏差値はある予備校が作ったのだと言う話を聞いたことがあります。そのせいか、高校数学で分散や標準偏差はかつて扱っていましたが、偏差値そのものを扱ったことはないはずです。私たちが気にしている偏差値とはそのようなものなのです。
2012年2月28日火曜日
君原健二をしっていますか?
君原健二を知っていますか?
マラソンランナーです。東京オリンピックの代表で、次のメキシコオリンピックで銀メダルを取っています。更にその後のミュンヘンオリンピックでも入賞しています。
首を斜めにかしげ、いつも苦しそうに走っている姿が印象的でした。
70歳を過ぎた現在もまだ走っているようです。今まで走った数多くのマラソンで途中棄権が一度も無いはずです。あれだけ苦しそうに走っている人が一度も棄権していない。それは驚くべきことでした。
東京マラソンがあり、日本人最高位となった無職のランナーと、期待されながら結果を出せず翌日頭を剃って反省の意を示した公務員ランナー。個性的な二人の話題がニュースになっていました。
42.195kmの孤独なレース。その中でこうした個性が磨かれたのでしょうか。最終的には自分自身に頼るしかない。そうした自立した人々の強さを見た気がします。
マラソンランナーです。東京オリンピックの代表で、次のメキシコオリンピックで銀メダルを取っています。更にその後のミュンヘンオリンピックでも入賞しています。
首を斜めにかしげ、いつも苦しそうに走っている姿が印象的でした。
70歳を過ぎた現在もまだ走っているようです。今まで走った数多くのマラソンで途中棄権が一度も無いはずです。あれだけ苦しそうに走っている人が一度も棄権していない。それは驚くべきことでした。
東京マラソンがあり、日本人最高位となった無職のランナーと、期待されながら結果を出せず翌日頭を剃って反省の意を示した公務員ランナー。個性的な二人の話題がニュースになっていました。
42.195kmの孤独なレース。その中でこうした個性が磨かれたのでしょうか。最終的には自分自身に頼るしかない。そうした自立した人々の強さを見た気がします。

高校数学改変
指導要領の改訂で高校数学の内容が変化します。ゆとりからの揺り戻しで、全体的に内容が増える(以前に近づく)のですが、相変わらず整合性の無い改変です。
数Ⅲの行列が無くなり、そのかわりに複素数平面が復活します。恐らく、次回の改定では行列が復活し、複素数平面が抹消されるのでしょう。この繰り返しです。
数Ⅱの積分で3次以上の関数が扱われるようになる。2次関数を微分してどうするんだ。3次関数以上の積分が無いなんて何のための積分なの。といった、正当な意見に耳を貸したわけでもないのでしょうが、やっとまともになります。
その分、数Ⅰで3次式以上の展開、因数分解が消える。なんてこった!
三角関数を180度までで数Ⅰと数Ⅱに分断するなど、あまりに本質的(数学的)でないことによって、数学教育はずたずたです。
数Ⅲの行列が無くなり、そのかわりに複素数平面が復活します。恐らく、次回の改定では行列が復活し、複素数平面が抹消されるのでしょう。この繰り返しです。
数Ⅱの積分で3次以上の関数が扱われるようになる。2次関数を微分してどうするんだ。3次関数以上の積分が無いなんて何のための積分なの。といった、正当な意見に耳を貸したわけでもないのでしょうが、やっとまともになります。
その分、数Ⅰで3次式以上の展開、因数分解が消える。なんてこった!
三角関数を180度までで数Ⅰと数Ⅱに分断するなど、あまりに本質的(数学的)でないことによって、数学教育はずたずたです。

2012年2月24日金曜日
後期選抜合格者発表
東大合格者千何百人というのが謳い文句の通信教育(添削)の会社があります。知りたいのは東大不合格者がどれだけいるかということです。おそらく合格者数以上いるのでしょう。
公立上位校合格者数を競う大手学習塾がいくつかあります。知りたいのは不合格者がどれだけいるかということです。
高校受験は多くの公立中学生にとって、初めてのシビアな試験です。本人も周辺もそのことで頭がいっぱいになってしまいます。それは全く正当なことです。ここ数ヶ月の努力は合格を勝ち取るためのものでした。その中で、初めて自分自身を追い詰めるという体験をした人もいるでしょう。そうした人は間違いなく何かを得たはずです。
しかし、結果は、そうした努力、希望、意志などとは無関係に冷徹にくだされます。そして、その結果をどのように受け入れるか。それが問題です。
とりあえず言えることは、受験は重要なものだが、全てではないということです。今回の体験の中で、自分自身や受験ををどのように相対化また客観化できるか。その契機になればよいと思います。
ともあれ、数時間後に後期選抜合格者発表です。
公立上位校合格者数を競う大手学習塾がいくつかあります。知りたいのは不合格者がどれだけいるかということです。
高校受験は多くの公立中学生にとって、初めてのシビアな試験です。本人も周辺もそのことで頭がいっぱいになってしまいます。それは全く正当なことです。ここ数ヶ月の努力は合格を勝ち取るためのものでした。その中で、初めて自分自身を追い詰めるという体験をした人もいるでしょう。そうした人は間違いなく何かを得たはずです。
しかし、結果は、そうした努力、希望、意志などとは無関係に冷徹にくだされます。そして、その結果をどのように受け入れるか。それが問題です。
とりあえず言えることは、受験は重要なものだが、全てではないということです。今回の体験の中で、自分自身や受験ををどのように相対化また客観化できるか。その契機になればよいと思います。
ともあれ、数時間後に後期選抜合格者発表です。

2012年2月22日水曜日
killing time?
後期選抜が終わったあと、学校で中3が何をやっているかというと、卒業式の練習やら、合唱コンクールやら、卒業旅行と呼ばれる怪しげな旅行やら、全く、勉強していないのに驚きます。
特に神奈川県は他県と比べ、高校受験が早くおこなわれます。その結果、後期選抜では高校入学まで2ヶ月弱、前期選抜に至っては3ヶ月弱まともに勉強しない者がいることになります。2ヶ月でできる勉強がどれほどのものか知っているものとして大変気になります。
同じことは高校でもあります。3日続けての球技大会等、開いた口がふさがりません。学校は時間つぶしではないはずです。
それでいて、学習量の増えた新指導要領をこなすには十分な時間がないと言っているわけで、どうなってるんでしょう。
特に神奈川県は他県と比べ、高校受験が早くおこなわれます。その結果、後期選抜では高校入学まで2ヶ月弱、前期選抜に至っては3ヶ月弱まともに勉強しない者がいることになります。2ヶ月でできる勉強がどれほどのものか知っているものとして大変気になります。
同じことは高校でもあります。3日続けての球技大会等、開いた口がふさがりません。学校は時間つぶしではないはずです。
それでいて、学習量の増えた新指導要領をこなすには十分な時間がないと言っているわけで、どうなってるんでしょう。

2012年2月15日水曜日
あまりに保守的な
数学が好きだという人にその理由を尋ねると、答えが一つしかないからとか、答えが明確だからという返事が返ってくることがあります。それが数学好きの理由だというのはどうかなとおもいますが・・・
たしかに、一般的に数学の答えは一様に決まるものが殆どです。しかし、それに至るプロセスや方法は決して一様ではありません。
三角関数とか、ベクトルとか、数列とかいった分野では、問題のレベルによって多様なアプローチが可能です。いや、sin(2π/3)の値がいくつかというような極々簡単なことでさえ、多様な方法が存在しています。
長く、数学をやっているといろいろなものに出くわします。上記の三角比の値を求める方法等は細かい差異を問題にすれば今までに片手では足りないだけの方法を見てきました。その中で最善と思えるものを使ってきました。いくら慣れ親しんだ解法があったとしても、より優れた方法を学ぶ。それを自分に言い聞かせています。
ところが中高生が案外そうできない。一度身につけたものを後生大事に守り続けている。若いんだから、そんな解法は屑籠に捨てて、もっと良い方法を身に付けようよといってもなかなか乗ってきません。そして、とんでもなく悪い方法で解き続けます。混乱するからとか、今のやり方で十分解けるからとか言い訳をします。
君たち中高生には長い未来と可能性があるのです。そんなに保守的でどうするのですか?
たしかに、一般的に数学の答えは一様に決まるものが殆どです。しかし、それに至るプロセスや方法は決して一様ではありません。
三角関数とか、ベクトルとか、数列とかいった分野では、問題のレベルによって多様なアプローチが可能です。いや、sin(2π/3)の値がいくつかというような極々簡単なことでさえ、多様な方法が存在しています。
長く、数学をやっているといろいろなものに出くわします。上記の三角比の値を求める方法等は細かい差異を問題にすれば今までに片手では足りないだけの方法を見てきました。その中で最善と思えるものを使ってきました。いくら慣れ親しんだ解法があったとしても、より優れた方法を学ぶ。それを自分に言い聞かせています。
ところが中高生が案外そうできない。一度身につけたものを後生大事に守り続けている。若いんだから、そんな解法は屑籠に捨てて、もっと良い方法を身に付けようよといってもなかなか乗ってきません。そして、とんでもなく悪い方法で解き続けます。混乱するからとか、今のやり方で十分解けるからとか言い訳をします。
君たち中高生には長い未来と可能性があるのです。そんなに保守的でどうするのですか?

2012年2月12日日曜日
あと3日
午前中に中3の入試対策をしました。
この2ヶ月、中3とはほぼ毎日顔を合わせています。その間にやった過去問、模擬試験は数知れず。その成果が間違いなく出ています。今日やった3教科も全員が40点超でした。2ヶ月前にはこの点を想像することができなかった人もいます。
「勉強ってやればできるようになるんだなあ」という当たり前で、単純なことを再確認します。この業界にいる人の中には「生まれ持った能力が大きい」と考える人が案外沢山います。そのことを一概に否定はできませんが、公立高校入試問題を学ぶ程度のことに関しては、努力でかなりの部分が補えます。逆に、「少しばかりできる」つもりで勉強を馬鹿にしている者の方がずっと問題は大きいのです。
あと3日、最後まで手を抜かず、ゴールに駆け込みます。後期選抜が終わった日、塾で慰労会をします。
この2ヶ月、中3とはほぼ毎日顔を合わせています。その間にやった過去問、模擬試験は数知れず。その成果が間違いなく出ています。今日やった3教科も全員が40点超でした。2ヶ月前にはこの点を想像することができなかった人もいます。
「勉強ってやればできるようになるんだなあ」という当たり前で、単純なことを再確認します。この業界にいる人の中には「生まれ持った能力が大きい」と考える人が案外沢山います。そのことを一概に否定はできませんが、公立高校入試問題を学ぶ程度のことに関しては、努力でかなりの部分が補えます。逆に、「少しばかりできる」つもりで勉強を馬鹿にしている者の方がずっと問題は大きいのです。
あと3日、最後まで手を抜かず、ゴールに駆け込みます。後期選抜が終わった日、塾で慰労会をします。

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