2009年8月4日火曜日

which の使い方をもっとシンプルに覚えられないだろうか。

先日、高3英語の授業でwhichの使い方を教えました。
その授業の後に、家でいろいろとwhichについて僕なりに考えたことを書いてみようと思います。

"どちら"という意味の使い方は分かりやすいと思いますが、関係代名詞と呼ばれる使い方は少し分かりづらいですよね。
which という単語をYahoo辞書で調べると、代名詞と形容詞に分けられ、その後細かく12通りほどに分けられていますが、すべてを暗記しろと言われたらやる気なくなりますし、実用的ではないですね。

英語のネイティブスピーカーがすべての用法を意識して使っているわけがありません。
例えば、日本語で考えると以下のような感じでしょうか。

日本語で"どちら"という単語を使う例文を考えてみる。
・リンゴとみかん、どちらが好きですか?(目的語的用法)
・どちらの物件がお気に入りですか?(形容詞的用法)
・どちらにお住まいですか?(副詞的用法)
・どちら様ですか?(主語的用法)
これらを文法として、会話のときに意識して使っていないですもんね。

では、どうやって覚えるのがよいか、ということを考えていきたいな、と。

こちらが先日の授業で出てきた文法の問題です。
(著作権を意識して少し変えてあります。)
The house () she was looking for was on the main street.
①whose
②what
③which
④in which
⑤in that

正解は③のwhichなのですが、なぜwhichなのかを考える上で関係代名詞を使わない文章に戻してみると分かりやすいです。

She was looking for the house.
The house was on the main street.
(彼女はある家を探していた。(そして見つけてみると、)その家はメインストリート沿いにあった。)
the house なので、おそらく探していた家は、友人の家のような特定の家だと予想できます。

この2つの文章をつなげたのが例文なのです。
⇒The house which she was looking for (the house は不要になる) was on the main street.
 (彼女が探していた家はメインストリート沿いにあった。)

--- 以下は余談 ---
つなげる順番を逆にすると下の文になりますね。
⇒She was looking for the house which was on the main street.
 (彼女はメインストリート沿いにある、(特定の)家を探していた。)

2つの文章を比べると状況が違いますね。
1つ目の文章はどこにあるか分からない家を探していて、見つけてみたらメインストリート沿いにあった、というときの文章。
2つ目の文章はメインストリート沿いにあると知っていた家を探していたが、この文章からは最終的に、見つかったかどうかは分かりません。


ちなみに、the house を a house にすると、
She was looking for a house which was on the main street.
「(特定の)メインストリート沿いの(特に指定はない)家を探していた」という意味になり、引越すときに国道一号線沿いの物件を探しているときのような文章になりますね。
--- 余談 ここまで---


さぁ、先ほどの例文を覚えたまま次の例文をやってみましょう。

He found a tall tree () beautiful birds were nesting.
①that
②how
③which
④in which
⑤whatever

正解は④です。
この文章も2つに分解してみましょう。
He found a tall tree. (彼は高い木を見つけた。)
Beautiful birds were nesting in the tall tree.(美しい鳥が高い木に巣を作っていた。)
この文章をつなげて、
He found a tall tree in which beautiful birds were nesting.
もしくは、
He found a tall tree which beautiful birds were nesting in.
He found a tall tree where beautiful birds were nesting.
となるわけですね。

例文の選択肢の③which を選んでしまうと、分解した文章が、
Beautiful birds were nesting the tall tree. となってしまい、「美しい鳥が高い木を巣づくっていた」となってしまい、変な文章になってしまいますね。
あくまで、高い木という"空間の中に"巣を作っていたので、inが必要なのです。

whereは、前置詞+場所をまとめて表現できるので便利ですね。
場所に付く前置詞としては、in や at や on などいろいろあるので、where を使うとこれらを意識しなくて済むというメリットがあります。
(ただ、ネイティブスピーカーは同じ動詞でも前置詞を変えることで意味をいろいろと変えて使うことが好きらしいので、in which を使うほうがネイティブっぽいのかもしれません。あくまで推測ね。)

どうやら、whichは修飾したい語句とイコールの関係を作れるようです。
このあたりの感覚を覚える方が、10以上もある用法を暗記するより有効のようです。

では、最後に難しい言い回しをやってみましょう。

She was wearing dark glasses, () made it hard to tell what her expression was.
①of which
②where
③which
④that
⑤what

正解は③です。

訳してみると、
「彼女はサングラスをかけていた、そのことが彼女がどんな表情をしていたか伝えることを難しくさせた。」

whichが直前までの文全体(She was wearing dark glasses)とイコールの関係になっていますね。

うーん、whichの関係代名詞的な使い方というのは、イコールの関係を作れるということに集約できそうです。

"イコールの関係"という表現がまだイマイチかもしれませんね。
他に何か分かりやすい言い方が無いか考えてみようっと。

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