あと数年でセンター試験が終わり、新テストが導入されます。今度の変更はただの制度の変更というものではなく、知識偏重のテストから、活用力を問うものに代わるというのが重要な変化です。次の問題を考えてみます。
①鎖国をした人は誰ですか?
②日本が鎖国をし始めたころ、イギリスで起こっていたことは何ですか?
③もし、江戸幕府が鎖国をしなかったら、日本はどうなっていたと思いますか?
①は単に知識を確認する問題です。数年前までの神奈川県の入試問題はこんな感じ。②は知識の組み合わせ。ここ数年の入試問題はこんな感じ、解を間接的な関係から求める。③が活用力を問う問題。らしい。
一見、この変化は良いもののように思えるのですが、ちょっと気になることもあります。③の解を採点するに際し、何らかの事実、知識を前提とすると思われ、結局のところ知識の桁を競うことになるのではないか?ということです。
知識偏重では無いということが強調され、特に公立教育で、知識を学ぶ量が大幅に減り、(実際、歴史から、坂本龍馬等の有名人が多数いなくなるというニュースがありました)その一方で、私立一貫校では知識を相変わらず多量に与えていくのではないか。という危惧です。それは、まさにゆとり教育が叫ばれた時と同じです。神奈川県の公立高校の大学進学実績が落ちたのは小・中でのゆとりが一因なのは間違いないでしょう。
私立一貫校や塾や予備校が、そうした活用力と呼ばれる種類の問題を研究し始めると、最後には知識の問題と問題を解く技術に行き着くのではないか?
方法論は必ず分析的になる。今後の様子を注視したいと思います。
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