来年中学校の教科書が改訂されます。これは4年に一度の定期的な改定です。指導要領の改訂ではないので内容的に大きな変化があるわけではありません。
その中で目立ったのは理科の教科書で、各社軒並みページ数が増えていることです。理科離れが言われる中、理科教育の建て直しは急務なのでしょう。実験を扱う部分が多くなっているようです。問題は、学校でどれだけ実験を扱うかですが・・・
解剖学者、養老猛は、”脳は自然が嫌いだ。自然は無秩序で、脳には扱いきれない”というようなことを言っています。実験はまさに脳が自然(なま物)と対峙する最前線なのです。
感覚的ですが、実験が嫌いな子供は相当割合でいると予想します。以前、東京理科大に合格した女子高生に「大学入ると実験がありますか?」と聞かれたことがあります。「当たり前だろう?うれしい?」と尋ねると。「実験したくないんです。やらないで卒業できませんか?」と鳴きそうな声で答えました。
さて、ノーベル賞です。ここ数年、日本の受賞者は、そんななま物とじっくり取り組んでいた人たちが続きます。沢山の失敗?を経て、成果を出した人たちです。同時に、スーパーカミオカンデのような巨大実験施設は、まだ貧しかった戦後の日本で、実験もままならず、理論物理をやっていた湯川秀樹(日本最初のノーベル賞受賞者)その他の俊才にはどのように映るのか、ちょっと聞いてみたい気にもなります。
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