2017年1月23日月曜日

論語物語

中1の夏休み前、担任の女性教師から部厚い本を貰いました。今となっては、なぜ本を貰うことになったのか判然としませんが。

その本は 『次郎物語』の著者として有名な下村湖人が著した『論語物語』でした。論語を児童向けに書き換えた本で、それまで、児童向けの推理小説くらいしか読んだことがない私には難解なものでした。さらに、私の興味を引くような本でもありませんでした。それでもひと夏かけて、生真面目に読んだような気がします。

その中で、何となく覚えていた一文。

子曰く、觚(こ)、觚ならず、觚ならんや、觚ならんやと。

 *觚はもともとは角のあるさかずきのようなもののようです。それを弟子に幾つか買ってこさせた孔子は、角のない觚ばかりなのを見て、「これは觚ではない」と言います。弟子が「今の觚に角のあるものなどありませんよ。返してきましょうか」と答えます。孔子は「いや、その必要はない」と返事します。

今、その本が何処にあるのか分かりません。もう一度読みたいと思うようになりました。あの時、先生から貰わなかったら論語を読む機会はなかったでしょう。関心のある本ではない本を贈る。ちょっと良いなと思います。

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