帰りのバスの中でふと中学のときの国語の先生を思い出しました。
物静かな人で、面白いことを言うことはありませんでしたが、何かを伝えたいという情熱が背後に感じられる人でした。いつも授業は淡々と何事も起らないかのように過ぎていました。
そんなある日、先生が大声で一番前の生徒を叱ったのでした。どのような事情だったか今は思い出せません。
「君の目は死んだ魚のような目だ。・・・・年取った私のほうがまだずっとましだ・・・」
というようなことを珍しく大きな声で言っていました。
先生は白髪交じりの髪を真ん中で分け、セルロイドの黒ぶちの丸めがねをしていました。ひょっとして僕が丸めがねをするようになったのはこの先生の影響かもしれません。
”何を怒っているんだろう?”と思っていたあの頃とは違い、今は先生の怒りが理解できるような気がします。
黒澤明の映画に出てくるような、ぎらぎらした目を持つ若者。最近珍しくなりました。1つの時代が去ったのかもしれません。
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